497. 第二弾の書籍に向けて
今日は、午前中に「タレントディベロップメントと創造性の発達」というコースの最終試験に向けた学習を行い、午後からは、第二弾の書籍について構想を練っていた。前作『なぜ部下とうまくいかないのか』では、ハーバード大学教育大学院教授ロバート・キーガンの発達理論を中心に取り上げた。...
481. 離近
今、書斎の窓から夕暮れのフローニンゲンの空を眺めている。空には雲が浮かんでいるのだが、それは流れずそこに留まっているように見える。赤いレンガ造りの家々と同じ色をした夕日が沈んでいく。 このように外の景色を眺めていると、外側の世界をゆっくりと味わうことが、内面世界に均衡を生み...
480. 日常的な非日常的休日
今日は、非常に仕事がはかどった日曜日であった。早朝にオンラインゼミナール用の教材を作成し、研究プロジェクトに向けて文献リストを作成し始めた。ここからは哲学書や専門書から少し離れ、数多くの学術論文を読み込んでいくことになるだろう。...
479. 表現エネルギーの伝承
昨夜は、フローニンゲン大学教授ポール・ヴァン・ギアートの仕事に激しく圧倒されるということが起こった。一夜明けてみると、自分が随分と落ち着いた状態にあることに気づく。 日曜日の小雨の降る朝、午前八時を迎えようとしているのに、あたりはまだ暗い。窓の外からレンガ造りの家々を眺める...
478. 圧倒からの弾み
目の前にそびえ立つ壁が途轍もなく高い。ポール・ヴァン・ギアートの “Annals of theoretical psychology vol. 7. (1991)”を読みながら、ただただそのようなことしか思わなかった。 この二ヶ月間において、一日たりとも休息を取らなかったこ...
477. 無数の言語ゲーム
昨日の学術会議に参加した経緯をよくよく振り返ってみると、この会議の趣旨をそれほど理解せぬまま参加を決意したように思う。実際のところ、この会議の趣旨や参加者の専門性を理解したのは、会議が始まってしばらくしてからであった。 特に参加者の専門性を理解し始めたのは、会議の経過に応じ...
460. 自己を研究対象とすることについて
これまで発達研究で気になっていたことが一つある。それは、研究者が自分自身を研究対象するとする可能性についてだ。研究者が自分自身を研究対象とした場合、方法論上様々な問題を解決しないといけないと思うのだが、人間の発達プロセスとメカニズムを研究することに関して、これは一つ面白いア...
412. 知識の重要性について
昨日は、第二回のオンライン読書会に向けて、自分でも事前課題について回答を少しばかり考えていた。基本的には事前知識を必要としないオープンクエスチョン形式を意図していたのだが、中には構造的発達心理学を含めた発達科学の知識を必要とするものも混じってしまっていた。...
409. 何気ない日常から
今日からしばらくフローニンゲンの街は天気が悪くなるそうだ。今朝は、起床直後からまずはオランダ語の試験に向けて学習を行った。オランダ語の試験は初めてであるため、何かと未知なことが多いが、これまでの学習内容を振り返る上でもこうした試験があるのは有り難いことである。...
401.「道」:サスキア・クネン先生との出会いと再会
峠は決定をしうるところだ。峠には決別のためのあかるい憂愁が流れている。峠路(とうげみち)をのぼりつめた者は、のしかかってくる天碧(てんぺき)に身をさらし、やがてそれを背にする。 風景はそこで綴じあっているが、ひとつを失うことなしに、別個の風景に入ってゆけない。大きな喪失に耐...