565. 構造的発達心理学の二大巨頭:ロバート・キーガンとカート・フィッシャーについて
今日も非常に有意義な休日を過ごすことができた。午前中のオンラインゼミナールの後、仕事関係や交友関係の諸連絡を済ませ、予定通り、複数の論文と専門書に取り掛かることができた。 今日の文献調査を通じて、改めて、元ハーバード大学教育大学院教授カート・フィッシャーは、偉大な発達科学者...
560. 思わぬ誤解
今日は、待ちに待った「複雑性と人間発達」というコースの第二回目のクラスに参加した。初回のクラスは、私の論文アドバイザーであるサスキア・クネン教授が務めたが、今回のクラスは、物理学者のラルフ・コックス教授が担当した。 形式上、私が現在所属しているのは心理学科であるが、このコー...
551. 変動性と分散の違い
先週末のオンラインゼミナールで「変動性」という概念を取り上げ、受講生の皆さんに、日々の自身の変動性について観察をしてみる、という実践を提唱して以降、自分も同じようにこの実践をより意識的に行うようになっている。 仏教の世界においても、全てのものは時間の経過に応じて移り変わる、...
543. その時へ向かって
フローニンゲン大学での二学期が始まった最初の週の土曜日が、静かに終わろうとしている。夕食を摂ろうと準備をしていると、ふと、知識が真の知識となり、真の知識が智慧となる過程の過酷さを思い知る。 そうしたプロセスの過酷さと同時に、その道を歩むことに要求される長大な時間についても考...
539. ダイナミックシステムアプローチを活用した研究の特徴
昨日は、研究プロジェクトに集中する必要があったため、昨日の「複雑性と人間発達」というクラスに関する振り返りがあまりできなかった。記憶が鮮明なうちに、印象に残っていることを書き留めておきたい。 クラスが行われるコンピュータールームに到着した私は、最前列の席を確保した。クラスが...
538. 内面世界の共有
複雑性科学と発達科学を架橋した領域については、これまで一人で学習を進めてきたため、探究の開始を知らせる鐘は、随分と前に鳴らされていたのだと思う。しかし、自分の研究プロジェクトを通じて、当該領域を真に探究することは、「複雑性と人間発達」というコースが開始されることによって、始...
534. ミクロ・メソ・マクロな発達
昨日は、これまで執筆した文章を読み返し、編集作業を行っていた。気がつくと、過去に投稿した記事のうち、200近くの記事が未編集のままになっていたのだ。 昨日の夕方から、三ヶ月前の記事をいくつか読み返し、追加・修正を文章に加えていた。すると面白いことに気がついた。三ヶ月前のそれ...
513. 能力の乱開発
人間の知性や能力を多様な要素の相互作用で構成された複雑なシステムと見立てる、というのは、ダイナミックシステム理論をもとにした発想の根幹にあるものだと思う。こうした発想は、過去の発達科学の見立てとは趣が異なるため、ダイナミックシステムアプローチは、知性や能力の複雑な発達プロセ...
507. ベートーヴェンとスピノザ
今日は朝から雨模様である。当初の計画では、フローニンゲン大学の社会科学キャンパスに行き、研究に必要な論文をいくつかプリントアウトしようと思っていたのだが、雨が降っていることもあり、今日もまた一日中書斎にこもって仕事をすることにした。...
500. 知性や能力の開発について
非常に穏やかな雰囲気が漂う月曜日の朝。休日から平日に移行したにもかかわらず、フローニンゲンの街は、いつもと変わらない穏やかな時間が流れている。 休日と比べると、自宅の目の前にあるメインストリートを行き交う通行人の数は増えている。それでも、彼らの姿から慌ただしさを感じることも...