3228. 生態系としての意識
時刻は午後七時半を迎えた。ボストンからフローニンゲンに戻ってきての初日は、とても落ち着いており、かつ非常に充実していた。 華麗な秋の足音が聞こえてくるかのような雰囲気に包まれた土曜日だった。先ほど夕食を摂りながら、私たちの意識というのは一つのダイナミックな生態系なのだという...
3102. 最後の言葉と内面世界を舞う蝶
昨夜から今朝方にかけて十分な睡眠を取ったにもかかわらず、どこか活動に鈍さが見える。先ほどドビュッシーの曲に範を求めて作曲をしてみたが、どうもうまくいかず、生まれた曲は今感じている鈍さを表すようなものだった。 流れるようなダンスではなく、まるでダンスの破片のようなものが内側に...
1337. メタ理論や日本的発達理論に関する雑感
午前中、発達心理学の開拓に多大な貢献を果たしたジェームズ・マーク・ボールドウィンと記号論を提唱したチャールズ・サンダース・パースの思想に関する論文を読んでいた。両者の思想から得るものはいつも多く、二人が書き残した全集は私にとって非常に貴重な文献である。...
1296. 客員研究員としての道
先ほど浴槽に浸かっていると、フローニンゲン大学での二年目のプログラムを終えたら、すぐに博士課程に進むのではなく、在野で一年間ほど研究をするのでもなく、客員研究員として米国の大学に所属するという選択肢が浮上した。 それはこれまで考えたことのないものだった。そもそも客員研究員と...
1211. ブラックスワンとバグ:個人と集合の発達に不可欠なもの
昨日、マライン・ヴァン・ダイク教授との面会を済ませた私は、社会科学キャンパスを後にし、自宅に向かっていた。キャンパスから自宅に戻る時は、いつもノーダープラントソン公園を通ることにしている。 ここは市民の憩いの場所であり、四季折々の変化をそこにいつも見て取ることができる。今の...
1194.『成人発達理論による能力の成長』:能力という生態系の危機
本日の夕方から、二ヶ月半ほどの夏期休暇に入った。最終試験終了後、自宅に戻ってから早速、この休暇を利用して読もうと思っていた論文群に手をつけ始めた。 今から数日間ほどは、まずMOOCに関する論文、インナ・セメツキーの教育哲学に関する論文、ダイナミックシステム理論に関する論文を...
843. 生態系としての言語空間
とても爽快な目覚めと共に、本日の活動を開始した。ここのところ、論文を執筆し続けるという毎日を送り続けていたが、昨日でとりあえずの目処が立ち、一日ほど完全に自由な時間を取れそうである。 自由な時間と言っても、本日の午後からはやはり論文の執筆を行う予定であるが、それでも締め切り...
244. 能力の選定と剪定
昨日は、市役所や税務署で各種手続きを行い、実家へ送る荷物の梱包が完了した。オランダへ送る荷物の梱包はこれからであるが、過去数年間において幾度となく引越しを繰り返してきたので、梱包も手馴れたものである。 元ハーバード大学教育大学院教授のカート・フィッシャーが指摘しているように...
220. 生態系(ecosystem)としての知性発達
先日から数回にわたり、発達理論に造詣の深い知人の方と意見交換をさせていただいていた。ロバート・キーガンが提唱した構成的発達心理学(constructive developmental psychology)やピアジェ派や新ピアジェ派の構造的発達心理学(structural...