699. 地上を仰ぎ見、働きかける者
意識の発達が自己を超越するような極めて高度な段階に達した時、私たちは地上の素晴らしさや残虐さのありのままの姿に眼を開かれるという。事物のありのままを見ることに関して、私は少々誤解をしていたことにはたと気づかされた。 いや、そもそも意識の発達プロセスの捉え方を誤解していたよう...
654. 研究の新たな方向性とやるべきこと
昨日は、午前中と夕方が同質の闇と静けさを持っていた。二つの鬱蒼とした雰囲気に挟まれていたのが、昨日のフローニンゲンの街であったと言っていいだろう。 ただし、昼前から午後にかけては太陽が差し込んでいた。そのため、私は気分転換に近くのサイクリングロードにランニングに出かけていた...
605. 専門領域の「密教化」に抗って
今日は、絶えず霧に包まれた一日であった。確かに、雲ひとつない晴天の一日も好きなのだが、このように鬱蒼とした霧がかかっている一日も、それはそれで趣きがある。 午前中と午後に二つの論文を読み、それらがとても洞察に溢れる内容だったので、打たれる感情を噛みしめるのに少し時間がかかっ...
598. 新・新ピアジェ派としての私
今日は早朝から、現在進行中のオンラインゼミナールの最終回の講義資料を作成していた。最終回は、知性発達科学の歴史的変遷を辿りながら、知性や能力の発達に関する近年の思想や理論などを取り上げる予定である。 厳密に知性発達科学の源流にまで遡るのであれば、仏教の意識の発達思想やヨガの...
593. ホロン階層を持つ発達課題
昨日ふと、ここ最近の自分の文章を眺めてみると、起床した時の感覚や情景描写などから言葉を紡ぎ出していることが多いことに気づいた。文章にするテーマが決まっている時でさせ、突然にそのテーマから言葉を紡ぎ出していくのではなく、その文章を今まさに書こうとしている自分を取り巻く感覚や情...
583. ピアジェの発達理論
夕方から夕食までの時間、そして夕食後からしばらくの間、ピアジェの構造的発達理論に関する論文に目を通していた。ピアジェの関心事項の一つは、知性発達の領域全般型特性を明らかにすることにあった。 つまり、ある一つの知性領域——論理思考など——が次の段階に到達すれば、新たな段階の能...
580. 発達心理学者アネット・カミロフ=スミスの運命について思うこと
昨日、1970年代後半における構造的発達心理学の状況を理解することのできる論文 “The stage question in cognitive-developmental theory (1978)”を読んでいた。 この論文は、構造的発達心理学に多大な功績を残したジャン・...
575. ピアジェの構成的知性発達モデル
今日は、ほぼ一日中、ピアジェの発達理論と向き合っていた。ピアジェの生誕の地であるスイスのニューシャテルを訪れて以降、ピアジェの存在がより近しいものになっている気がする。 私自身の知性発達科学に関するこれまでの探究を振り返ってみると、ピアジェの理論について学ぶよりも、新ピアジ...
572. ジャン・ピアジェの発達思想より
今朝はいつもより早い四時に起床し、早朝からジャン・ピアジェの発達思想に触れていた。多くの人は、ピアジェを発達心理学者とみなすかもしれないが、それは少々誤解がある。 もちろん、ピアジェが発達心理学に果たした貢献は非常に大きいが、彼は発達心理学の領域を超えた探究を行っていたので...
569.「トランスパーソナル防衛メカニズム」の集合的蔓延
今日は、文句の付けようがない素晴らしい天気であった。午前中の仕事を終え、ランニングに出かけて心身をリフレッシュさせた。その後、午後からは引き続き、ケン・ウィルバーが提唱した「20の発達原則」について調査をしていた。 構造的発達心理学に馴染みのある人にとっては、もはや当たり前...