807. ブダペストでの探究活動の可能性
今日は夕方から、京都大学から来た日本人留学生の送別会があるため、午前中に集中的に仕事を進めていた。その一つとして、ネットワーク科学の専門書を読んでいた。 これは以前紹介した、ネットワーク科学の代表的な研究者であるアルバート・ラズロー・バラバシが執筆した “Netowork...
605. 専門領域の「密教化」に抗って
今日は、絶えず霧に包まれた一日であった。確かに、雲ひとつない晴天の一日も好きなのだが、このように鬱蒼とした霧がかかっている一日も、それはそれで趣きがある。 午前中と午後に二つの論文を読み、それらがとても洞察に溢れる内容だったので、打たれる感情を噛みしめるのに少し時間がかかっ...
425. 言葉の召喚作用と知識の体系化
ここ最近の私は、言葉が持つ召喚作用、すなわち何かを喚起するような力に沿って自己や対象を描写するようになっているように思う。内側や外側の現象を何か捉えたと思ったら、それを言葉にしてみる。すると興味深いことに、言葉の喚起作用によって当初予定していなかったものまで立ち現われ、それ...
396. 自己探求と社会実践について
今日から少しずつ、発達科学の歴史と複雑性科学の歴史を結びつけるような作業に取り掛かっている。より具体的には、作業範囲を少し狭めて、構造的発達心理学の文脈の中にシステム理論の進展過程を捉えるということを行っている。 この作業を開始しようと思った直接的な理由は、もちろんながら現...
357. 天気雨からの教示:「等結果性」と「初期状態依存性」
天気雨というのは本当に美しいものだとつくづく思う。先ほど、突然天気雨が降り出した時、私は思わず仕事の手を止めた。すぐに窓の方に駆け寄り、天気雨が降り止むまでその一部始終をただ眺めていた。 数分後、雨が降り止み、道路の地面には雨が降ったという形跡だけが残っている。その形跡だけ...
342. 人と組織の発達支援に向けたダイナミックシステム理論のメタファーについて
今日からオーストリアの生物学者ルートヴィヒ・フォン・ベルタランフィ(1901-1972)の主著 “General system theory: Foundations, development, applications...
289. 悠久の時の中で
——70歳以前に描いたものは全く取るに足らないものであった。73歳で鳥や獣、魚の骨格のなんたるかをいくらかは悟ることができた。このまま修行を続けていれば、100歳で神妙の域に達することができるだろう。110歳まで続けていれば、一点一画が生きているもののように描けるようになる...