3279. 技術の自動化とヴィゴツキーの発想
ここ最近の朝と同様に、今朝も非常に心地の良い朝だった。午前中はまずモーツァルトに範を求めて作曲実践をした。 ちょうど先ほど成人発達理論に関する“Handbook of Adult Development and Learning...
2026. 激しい模倣
昨日、ハワード・ガードナーが執筆した芸術と人間発達に関する書籍を読んでいると、自分の心を動かす一つの記述に遭遇した。その記述の周辺には、過去の優れた作曲家たちがいかにして作曲技術を磨いていったのかについて書かれていた。 バッハにせよ、ベートーヴェンにせよ、彼らは作曲家として...
983. 集合的な観点から個人の発達を捉えること
今日は午前中に、「成人発達とキャリアディベロップメント」という産業組織心理学のクラスに参加した。このコースのタイトル通り、クラスで取り上げられる内容は、私が専門としている発達心理学とも大きなつながりがあり、仕事を通じた人間発達という現象をまた違った観点から考えを深めることに...
919.【ザルツブルグ訪問記】学会の初日を振り返って
ザルツブルグでの学会における初日の発表が全て終了した後、学会の参加者は演奏会に招待された。会場はザルツブルグ大学の歴史ある図書館であった。 学会の主催者とともに、学会会場を後にし、歩いて目的地に向かった。私たちはアルプス山脈を遠目に眺めながら、ザルツァハ川沿いを歩いていた。...
796. 生命時間と幸福さ
今朝は朝一番に、起床直後から気になっていたことを確かめるために、書斎の机に向かうなりすぐに、昨日取り掛かっていた研究データの解析を再開させた。 昨日とは少しばかり異なる手法を用いてデータを眺めてみると、その結果、非常に面白いことがわかった。具体的には、どうやら研究対象とした...
288. 卓越性の起源
関与と恩寵。それは世界からの多様な関与と恩寵の賜物なのだ。 今日の午前中は、ここ三日間読み続けている「タレントディベロップメントと創造性」というクラスで課題文献とされている “The complexity of greatness: Beyond talent or...
135. 映画「バケモノの子」を鑑賞して:発達理論の観点より
「偉大な芸術は、あなたを、あなたの意志に反して、つかむ。そして、あなたの意志なるものを宙づりにする。あなたは、欲望、渇望、自我、自己収縮などから解放された、静かな深い森の中に開かれた小さなオープン・スペースに招き入れられる。この意識の中の静かなオープン・スペースを通して、高...
118.新ピアジェ派の貢献:成人以降のより良い教育・トレーニングへ向けて
新ピアジェ派は、およそ30年間に渡り、ピアジェの根幹思想を受け継ぎながらも、修正が必要な概念や理論に関しては、実証研究に基づきながらピアジェの理論をより洗練化させてきました。 新ピアジェ派の各々の研究者は、それぞれ固有の思想やアプローチを持っているため、彼らはピアジェの貢献...
115.文脈や環境が発達に与える影響と他者による支援の役割
前回に引き続き、今回の記事も新ピアジェ派がどういった点において古典的なピアジェ理論を拡張させたのか、を紹介していきます。今回注目するのは、文脈や他者の支援が私たちの認知にもたらす影響についてです。 文脈や環境の持つ役割や影響力に対するピアジェの考え方は、あまり明示的ではなく...
72. カート・フィッシャーの発達モデル:発達要因と発達のメカニズム
これまでフィッシャーの理論の大枠を紹介してきましたが、実際のところ、フィッシャーの発達モデルは、他の新ピアジェ派の理論と多くの点で異なります。主な相違点は、認知的な発達を説明する方法にあります。 もちろんフィッシャーは、発達における情報処理的側面を否定しているわけではありま...