68. 新ピアジェ派の思想:グレイム・ハルフォードの発達理論
これまで、新ピアジェ派の代表的人物であるパスカル・レオンとロビー・ケースの発達理論を概観してきました。今回の記事は、新ピアジェ派のその他の代表的研究者グレイム・ハルフォードの理論に焦点を当てたいと思います。 まず、グレイム・ハルフォードは、ロビー・ケースが提唱した作業記憶の...
67. 新ピアジェ派の発達思想:ロビー・ケースの発達理論
ロビー・ケースの研究は、この数十年の間、発達理論の分野で大きな注目を集めてきました。実際に、発達心理学のテキストを開いてみると、ロビー・ケースの理論は、新ピアジェ派の代表として最も広く認知されています。 ロビー・ケースの理論が、以前紹介したパスカル・レオンよりも広く認知され...
65. 新ピアジェ派の3つの理論分類
前回の記事で、代表的な新ピアジェ派の研究者の名前を列挙しました。改めて紹介すると、パスカル・レオン、ロビー・ケース、グレイム・ハルフォード、カート・フィッシャー、アンドレアス・デメトリオの5人が新ピアジェ派の代表的人物です。5人の発達研究者の理論やアプローチの仕方は、それぞ...
64. 新ピアジェ派の誕生背景
ジャン・ピアジェは、認知的発達理論の分野に多大な貢献を残したことで知られています。しかし、そうした功績を讃える一方で、現代の発達理論家は、ピアジェの理論に対して批判を加えているのも事実です。 それらの批判の中で核となるのは、発達現象そのものの捉え方です。ピアジェは、人間の認...
53. 発達の共時性:ロビー・ケースの実証結果
ここ数回の記事で、領域特定型発達モデルの限界について言及してきました。もう一度おさらいをしておくと、領域特定型発達モデルの限界点は、発達の可変性を蔑ろにしてしまっているということでした。 もちろん、私たちはある特定の文脈、つまりある特定領域に基づいて能力を発揮していく生き物...
48. 新ピアジェ派の台頭:静的構造思想とその批判者との対立史
これまでの記事では、人間の発達を静的なものとみなす思想に対して批判的な見解を示し、発達を動的なものとみなす思想に好意的な見解を示してきました。ここで注意しなければならないのは、確かに人間の発達は極めて動的なプロセスなのですが、発達構造が内包する規則性というものを蔑ろにするわ...
33. 発達の可変性を提唱する非英語圏の発達論者たち
これまでの記事で紹介してきたように、英語圏において、カート・フィッシャーやロビー・ケースなどが「新ピアジェ派」の代表格であり、彼らは発達の可変性を強調しています。実際のところ、フィッシャーやケースのような英語圏の発達論者のみならず、非英語圏の発達論者の中にも、発達の可変性を...