331.「システム思考」に関する世間の誤解
欧州小旅行からフローニンゲンに戻ってきて感じたのは、わずか二週間しか生活をしていないこの街が自分にとって安心感をもたらす場所になりつつあるということである。北欧に近いフローニンゲンの街は、夏の間は日が長いのが特徴だが、昨日は夜の九時ぐらいから徐々に暗くなり始め、欧州小旅行に...
306. 対人支援産業について思うこと
「洋平、それは自分よりもサスキアの方が詳しいから彼女に質問してみることをお勧めするよ」ということを、私がフローニンゲン大学で在籍するプログラムの責任者であるルート・ハータイに言われたことがある。 ルートの対応はいつも実に誠実かつ紳士的であり、彼は私のメンターでありながらも、...
305. 自己超出・自己超越
この10年間ほど、毎日昼寝を欠かしたことはないように思う。どうも昼食を食べ後の午後2時過ぎあたりに、眠気と共に集中力が減退する瞬間が訪れることに気づき、15分から20分ほどの仮眠を必ず取るようにしている。 いつもと同じようにヨガのシャバーサナの姿勢で仮眠を取っていると、ある...
297.「発達理論」なるものについての誤解
以前から薄々感じてはいたが、もしかしたら発達理論に関して多くの方に誤解を与えてしまっているかもしれないと思った。「発達理論」と思い込んでいるものを学び始めると、「段階モデルはとても有益だと思います。ですが、これだけでは実務的な応用に関して限界がありますよね」という趣旨の発言...
276. 意識や能力の発達と身体の関係
東京滞在中の昨年一年間において、あるボディワーカーの方のセッションを定期的に受け続けていた。多い時には、二週間に一度ほどセッションを受けさせていただいていた。 そうした意味において、昨年一年間は自分の身体との対話を豊富に行った期間であったし、自分の身体を通して自己と対話する...
251.「構造的カップリング」と「相互浸透」
オランダへの出発がいよいよ一週間を切った。オランダ到着後に必要な各種手続き(例:住民登録や銀行開設など)の流れを確認している。 4年前にジョン・エフ・ケネディ大学でシステム理論に関するクラスを履修して以降、数年間はその分野から離れていたが、再びシステム理論の探究に着手してい...
239. 発達段階5/6「構成的認識段階」について
拙書『なぜ部下とうまくいかないのか』で取り上げた発達段階は5までであった。ロバート・キーガン自身も書籍や論文などの公式な形では発達段階5までしか言及していない。ただし、キーガンに話を伺ったところ、やはり彼も段階5を超えた世界について十分に認識しているということがわかった。...
237. 孤独さと個の確立について
——孤独、絶望、死。これらは決して悲壮がった脅し文句ではないのだ。人間の魂のカリテ(質)なのだ。どうしてもそこへ行かなければ、先へ向かって開けないものがあるのだ——森有正 一羽のハトが公園内の道をひょこひょこと横切っていた。ハトの足取りのリズムと同調させるように、私はそのハ...
233. 焦点化・代用化・差異化という三つの変容原則
記事217と230で紹介した「知性・能力に関する5つの変容原則」について、残りの原則をより詳しく解説したい。まだ説明していない原則は(3)焦点化(focusing)、(4)代用化(置換化:substitution)、(5)差異化(differentiation)である。これ...
232. 実相
いつも記事の内容に合わせた写真や絵画、もしくはその時の自分の気分を代弁してくれる写真や絵画を添付している。これまでの記事に添付された写真や絵画を改めて眺めてみると、非常に変化に富んでいることに気づかされる。 写真や絵画が肯定的・否定的なものであろうと、いずれにせよ治癒的な効...