

458. 実践知について
全ての仕事がひと段落し、再び「実践知」と呼ばれるものについて考えていた。ここでふと、先日久しぶりにやり取りをしていたオットー・ラスキー博士の研究を思い出していた。 ラスキーに師事をしていた頃、彼の認知的発達段階モデルは非常に難解ながらも、最も関心を引く研究テーマであった。特...


433. 変化と不変
昨夜、就寝前に一冊の本を手にとって読んでいた。それは私が昨年日本にいた時に購入した “Kaleidoscopic mind: An essay in post-Wittgensteinian philosophy (1992)”という哲学書である。これは神保町の古書店を巡っ...


415. 知識体系の素材
現在、新たな知識領域を複数個同時に開拓していくことを迫られている。この開拓作業は、脅迫的なものというよりも衝迫的なものである。つまり、複数個の知識領域を獲得することを外側から強制させられているというよりも、内側から突き上げてくる思いに沿って実行しているのである。...


412. 知識の重要性について
昨日は、第二回のオンライン読書会に向けて、自分でも事前課題について回答を少しばかり考えていた。基本的には事前知識を必要としないオープンクエスチョン形式を意図していたのだが、中には構造的発達心理学を含めた発達科学の知識を必要とするものも混じってしまっていた。...


394. 「変化」に関与する全ての職業人に求められる自覚
仕事の手をはたと止め、窓越しに夕暮れの空を眺めた。太陽が暮れゆく方角に一筋の飛行機雲を見つけた。その飛行機雲の先頭は白く、飛行機の進む度合いに合わせて白味が増していく。一方、その飛行機雲の後尾は飛行機の進行に応じてますます白味が失われていく。...


368. 個人と組織の発達に関する新たな理論モデル「ダイナミックネットワーク理論」
フローニンゲン大学でダイナミックシステム理論に関する経験豊富な研究者や実務家から直接教えを受けることに伴い、ただただ嬉しい意味での驚きに包まれている。この一年間の小さな目標は、これまで培ってきた構造的発達心理学の言語体系を一旦手放し、新たな言語体系を内側に構築していくことで...


352. 未分化から生じる退行現象
オーストリアの生物学者ルートヴィヒ・フォン・ベルタランフィ(1901-1972)の主著 “General system theory: Foundations, development, applications (1968)”を一通り読み通すのに数日要した。本書は今後も折...


344.人と組織の発達に求められる言語記述による「自己分節」と「自己解体」
この関心事項はここ最近何度も現れているが、書くことの本質と発達の本質は相通じるものがあるため、書くという実践が発達を促進するのではないかという考えが日増しに強くなっている。 そもそも書くという行為には、言葉を用いて対象を分節するという非常に重要な役割がある。私たちは極めて高...


343. 継続的に書くために
日々の生活の中で湧き上がる自分の思念や感情を文章という形で表現しなければ、自分が現在抱えている課題を克服することはおろか、深く生きるという考えに基づいた生の前進もありえないと気づいてから、文章を毎日少しずつ書くことが習慣化している。この実践が習慣化してから、数ヶ月が経つであ...


341. 連続的かつ非連続的な問いと答えの変容プロセス
フローニンゲン大学でのプログラムが開始する日が近づいてきた。この街でもう一ヶ月も過ごしていたのかという驚きと共に、まだ一ヶ月しか経っていないのだ、という気持ちが生じている。最も正確なのは、時間の上ではわずか一ヶ月ばかりしか経過していないが、自分の内面で経験されたことの密度は...