150. 「真実構築活動」と「意味構築活動」を架橋する能力
私が直接的に師事をしていた発達心理学者のオットー・ラスキーの言葉が最近妙に思い出されます。ここ2年間は、セオ・ドーソンやカート・フィッシャーの理論モデルや測定手法に習熟するための期間であり、ラスキーの理論や測定手法から少し距離を置いていました。...
148. ロバート・キーガンの業績とマイケル・バサチーズの業績の統合
私が師事をしていたオットー・ラスキーは、ハーバード大学教育大学院時代にロバート・キーガンとマイケル・バサチーズに師事をしていました。私がラスキーの下で学習を進めていて気付いたのは、ラスキーはキーガンとバサチーズの両方の理論体系を統合させるような試みに長らく従事していたという...
144. 発達段階3(慣習的段階)から発達段階4(自律的段階)への移行支援について
最近、私の専門領域を問われる機会が多いので、ここでもう一度確認させていただきますと、私は成人以降の知性発達に関する学術研究(知性発達測定や測定手法の開発など)と学術理論を基にした臨床実践(企業組織向けの発達支援コーチングやメンタリング)に従事しています。...
133.ダイナミック・スキル理論誕生史:パラダイムの波に晒されて
歴史を遡ると、人間の意識の発達理論は、100年以上も前に発達心理学の始祖と呼ばれるジェームズ・マーク・ボールドウィン(James Mark Baldwin 1861–1934)によって提唱されています。それほどの長い歴史があるにもかかわらず、これまでどうして発達研究は心の...
130. 人間としての器の成長と実務能力の成長
ハーバード大学教育大学院に在籍する発達心理学者ロバート・キーガンとカート・フィッシャーはともにピアジェから影響を受けた構成主義的発達論者ですが、両者が研究対象とする領域は若干異なります。ケン・ウィルバーが “Integral Psychology...
123.発達測定者には高度な意識レベルが求められるか?
発達理論の講演をする際や発達理論のレクチャーをする際に、学習者の方からよく寄せられる質問として、「自分よりも意識段階が高い人の発達測定をすることはできますか?」というものがあります。この質問は、発達測定に従事する者にとって大事な点を含んでいると思います。...
121.ダイナミックスキル理論における「スキル」に関する誤解
先日、インテグラル・エデュケーションさん主催の勉強会で、ハーバード大学教育大学院教授カート・フィッシャーの「ダイナミックスキル理論」について紹介させていただきました。 当日の勉強会で参加者の方々から寄せられた質問や、勉強会後、参加者の方々から頂いた疑問点などを伺っていると、...
翻訳書出版の告知:オットー・ラスキー著「心の隠された領域の測定:成人以降の心の発達理論と測定手法」
「成人以降の心の発達理論が、日本社会で認知してもらえるきっかけとなれば」という思いから、オットー・ラスキーにお願いして本書の翻訳権を獲得したのは、今から2年以上も前であり、当時を懐かしく思います。このたび、翻訳完成から1年経ってようやく出版されることになりました。...
110. 成人以降の教育・トレーニングにもたらす新ピアジェ派思想の意義
私がこれまで成人以降の発達理論に関する講演や講義をする中で、多くの方は最初、人間の心は成人以降にも発達していくという点に驚かれます。発達心理学の代表的な研究者であったジャン・ピアジェの理論は、日本においても広く知れ渡っていますが、その内容はどうしても成人までを対象とした心の...
99. 発話内容分析(コーディング)と発話構造分析(スコアリング)の違いについて
Lecticaでインターンをしている際に、最初に直面した課題は、概念分析と構造分析の違いを理解することでした。発達理論の領域に足を踏み入れ、インターンを始めるまでの数年間、ロバート・キーガンやオットー・ラスキーが開発した発話構造分析型の測定手法の学習を進めてきたため、インタ...