182. 読者の方から寄せられた質問事項(No.6):発達段階5を超えた世界〜ポスト・ポストモダニズムへの視点
拙書 『なぜ部下とうまくいかないのか:「自他変革」の発達心理学』について、新たに頂いたご質問を紹介したいと思います。今回のご質問は、発達段階5を超えた世界に関するものであり、この論点は他の読者の方も関心を持っておられるのではないでしょうか?...
178. 道徳的知性発達論者としてのアダム・スミス
『国富論』よりも重要な書籍とみなされる、アダム・スミスの『道徳感情論』を大学時代に図書館で眺めたことはあったが、じっくり読もうと思ったことはこれまでなかった。 ”The Theory of Moral Sentiments...
175.ハーバード学派とフランクフルト学派の発達思想:甘い香りと苦い味
拙書 『なぜ部下とうまくいかないのか:「自他変革」の発達心理学』の帯文の中で、私の師匠の一人であるオットー・ラスキーが言及しているように、私はハーバード学派とフランクフルト学派の発達思想に強く影響を受けている。私の発達思想は、両者の学派によって育まれたものであると言っても過...
174.意識の高度化が孕む危険性:「心的位置エネルギー」の増加に伴う暴力
発達理論の学習者は、意識の高度化を過度に擁護しようとする発想に必ずどこかで陥る。これまで長らく発達理論と付き合ってきた経験上、意識の発達に関する探求を継続させていくためには、意識の高度化に何らかの意義を見出すことは確かに必要であると理解できる。...
173. 読者の方から寄せられた質問事項(No.3):成長の必要条件と十分条件
今回は、「山口さんは室積さんのコーチングで成長していきますが、室積さんのどんな問いかけが、どのように山口さんに作用して、山口さんを成長させているのでしょうか?それが、見えるようで見えません。山口さんは、ただ発達理論を教えてもらっているだけのようにも見えます。発達理論を学んだ...
172. 読者の方から寄せられた質問事項(No.2):室積さんの問いかけの裏側
今回は、「本書では、室積さんは、山口さんの成長を支援するために、意識的に山口さんの発達段階にあった問いかけをしているのでしょうか?それとも、単純に発達理論を教えているに過ぎないのでしょうか?」という質問に返答させていただきたいと思います。...
【発達理論オンラインゼミナール:ロバート・キーガンの発達段階モデルの習得】
2015年に開催した発達支援実践ゼミナールに引き続き、成人以降の知性発達理論を基礎から学ぶゼミナールを開講することになりました。 2016年3月末刊行予定の『なぜ部下とうまくいかないのか:「自他変革」のための発達心理学』(日本能率協会マネジメントセンター)出版に伴い、本書の...
158. 発達理論の歴史と最新の発達測定手法LASについて
記事「157.ダイナミック・スキル理論をもとにしたLASとはどんな発達測定手法なのか?」の続き 知性発達理論の歴史を遡ると、およそ一世紀前、ジェームズ・マーク・ボールドウィンは、厳密な発達理論と統合理論を初めて提唱しました。それ以降、発達科学は進歩し、ボールドウィンからジャ...
157. ダイナミック・スキル理論をもとにした発達測定手法LASとは?
世の中には知性発達理論に基づいた多様な測定手法が溢れています。例えば、スザンヌ・クック=グロイターのMAP(Mature Assessment for Professionals Profile)、ロバート・キーガンのSOI(Subject Object...
153. 社会的・感情的発達と認知的発達の関係性
発達心理学者のオットー・ラスキーは、ロバート・キーガンの発達理論を「社会的・感情的発達理論」と命名し、マイケル・バサチーズの発達理論を「認知的発達理論」と命名しています。私がラスキーの下で学習していた時、彼は、両者の理論は異なる発達領域について扱っていると頻繁に述べていまし...