1367. 新たな風
六時に起床。寝室の窓から外を眺めると、遠方の空に真っ赤に燃える朝日が顔を出していた。しばらくその朝日を拝み、私は書斎に向かった。 昨日に引き続き、今日も活力が湧いている。昨日よりも静かな流れなのだが、それは確かに「活力」と表現していいものに違いはない。...
1359. 金曜日に思う作曲
金曜日。今日は金曜日だ。今日は金曜日だったのだ。 てっきり今日は木曜日だと思っていたのだが、今日は金曜日だった。そうした確認をしなければならないほどに、曜日感覚が消失しつつある。 というのも、夏期休暇に入って以降、とにかく自らの探究リズムの中に自己を据えて生活を送っているか...
1358. 微風駆け抜ける世界の中で
ちぎれ雲がゆっくりと空を移動している。雲の向こう側には早朝の青空が少しばかり顔を覗かせる。 小さな鳥が羽を小刻みに動かしながら東の方角へ飛び去っていった。遠くの空に見える雲の頭の部分が、朝日に照らされて白く輝いている。 「そうだったのか」という声が思わず漏れる。地上からその...
1355. 所有を超え、幸福感になるということ
昨夜は就寝前に、聞きなれない音が外の世界に響き渡っていた。それは鳥の鳴き声でもなく、何かがはじけるような音であり、それが絶え間なく聞こえていた。 寝室から外の様子を見ても、それが何かわからず、書斎の方に駆け寄って外を眺めてみると、それが花火であることがわかった。それに気づい...
1349. 幸福と解放の実現に向けて
ぬるめのお湯に満たされた浴槽にゆったりと浸かり、夕食を済ませた。相変わらず今日も涼しい気温であり、さらには雨が断続的に降り注ぐような一日だった。幸い明日は晴れるらしい。 バッハ、モーツァルト、ベートーヴェンが絶えず音楽作品を創出したように、シェイクスピアや辻先生が絶えず...
1345. 小鳥のさえずりの中で
うっすらとした柔らかい雲とそこから透けて見える青空。今日は晴れのようだ。 起床直後、身体の調子が良いことに気づく。肉体的な身体の各器官の機能がしっかりしているというだけではなく、身体全体を駆け巡るエネルギーの調子がいいのだ。...
1343. 夢とMOOCと人工知能
グレン・グールドが演奏するモーツァルト——グールドが毛嫌いしていた——のピアノソナタ全集が終わりを告げ、バッハ——グールドが敬愛していた——の楽曲全集が始まりを告げた。ここ数日間、グールドが演奏するバッハを何時間聴いただろうか。...
1333. あぁそれが
柔らかなバッハの音楽が薄紫色の優しい空気の中を駆け足で駆け抜けていく。夕方の仕事を終え、少し一息つくためにソファに腰掛けた時、そのようなことを思った。 夕方の仕事に取り掛かりながらも、どこか自分の内側に文章を書き足りない感じが漂っていた。外に出すべきものは外に出さなければな...
1332. 複雑性科学を活用した発達研究について
昨日に引き続き、今日もグレン・グールドが演奏するバッハの楽曲を聴く。しばらくは、この異質なピアニストの演奏を聴く日々が続きそうである。 書斎の窓越しに外を眺めると、一日のうち最も強い日差しを持つ太陽光が辺りに降り注いでいる。日本で生活をしていた頃や米国で生活をしていた頃は、...
1329. 遥か彼方の世界と糸の導き
黄昏時を迎えた土曜日の夕方。七月も残すところ、あと10日ほどとなった。 七月は、年間のフローニンゲンの気温の中で最も気温の高い月のはずなのだが、相変わらず20度前後の日々が続いている。書斎の窓から見える黄昏も、どことなく秋のそれを思わせる。...