158. 発達理論の歴史と最新の発達測定手法LASについて
記事「157.ダイナミック・スキル理論をもとにしたLASとはどんな発達測定手法なのか?」の続き 知性発達理論の歴史を遡ると、およそ一世紀前、ジェームズ・マーク・ボールドウィンは、厳密な発達理論と統合理論を初めて提唱しました。それ以降、発達科学は進歩し、ボールドウィンからジャ...
141. ラスキーが提唱する測定手法に対する批判的意見
ラスキー先生の下で受けたトレーニングの中で最も時間を要したのが弁証法思考に関する学習です。トレーニングの中で、ソクラテス、アリストテレス、ヘーゲル、サルトル、ロイ・バスカー、ハンナ・アレントなどの哲学思想を学ぶことが要求されており、さらにマイケル・バサチーズ、マイケル・コモ...
114. 新ピアジェ派の貢献:後形式論理思考の特性
前回の記事は、新ピアジェ派が具体的にどのような点において、ピアジェの理論を発展させたのかを紹介しました。前回の記事で全てを網羅することができなかったので、今回の記事も引き続き、新ピアジェ派がどういった点において、ピアジェ派の理論を拡張させたのかを紹介したいと思います。...
112. 新ピアジェ派が継承する五つの発達思想
新ピアジェ派はこの25年間にわたって、古典的なピアジェ理論の本質的な側面を保持すること、さらに探求が必要な箇所を発展させること、最新の実証研究に基づいてピアジェ理論の改定をおこなうことに力を注いできました。 以前私のメンターであったセオ・ドーソンから聞いた話なのですが、カー...
111. 新ピアジェ派の誕生過程
発達心理学者ジャン・ピアジェの理論は、教育界で広く適用されています。時に、カリキュラム設計をおこなう際、あるいは実際の教室での活動に応用されています。生徒の学習や発達は、彼らが現在置かれている認知的発達段階に強く影響されるため、教師は生徒の思考特性や認知的発達に関して深い理...
98. 領域全般型発達測定手法:一つの物差しを用いた多様な発達現象の測定
発達測定の歴史を概観してみると、これまで様々な発達理論家が測定手法の開発をおこなっていたことに気づきます。私たち人間は、様々な発達段階を経て成長していくという考え方が提唱されて以来、発達心理学者たちは、こぞってそれらの発達段階を特定・分析するフレームワークを構築することに勤...
97. マイケル・コモンズの発達測定スコアリング事例:レベル12(メタシステム思考段階)
今回焦点を当てる段階は、コモンズのモデルで言うレベル12(メタシステム思考段階)です。このレベルは、ロバート・キーガンの発達モデルでは段階5に対応し、相互発達段階に位置します。 キーガンの記述を参照すると、この段階は、リアリティは様々な関係者を通じて構築されたものであると認...
96. マイケル・コモンズの発達測定スコアリング事例:レベル11(システム思考段階)
それでは、これまでの記事に引き続き、レベル11(システム思考段階)の具体例をもう少し紹介したいと思います。復習として、レベル11の特徴を下記に再度列挙致します。 ・問題の様々な側面に着目し、多様な視点を取ることができ、それらを統合し始める。...
93. マイケル・コモンズの発達測定スコアリング事例:レベル9(抽象思考段階)
今回焦点を当てる段階は、コモンズのモデルで言うレベル9(抽象思考段階)です。このレベルは、ロバート・キーガンの発達モデルでは段階3に対応し、慣習的段階と呼ばれます。最初に、レベル9の行動論理を簡単に列挙したいと思います。 ・問題の一つの側面にしか焦点を当てることができない。...
91. マイケル・コモンズの発達測定スコアリング事例:レベル7から8
ハーバード大学医学部精神科に在籍する発達心理学者のマイケル・コモンズは、認知的発達における「階層的複雑構造モデル」を提唱しました。セオ・ドーソンが開発したLASの中にも、コモンズの階層的複雑構造モデルが取り入れられており、今回の記事は、コモンズのスコアリングマニュアルを基に...