2370. 作曲技術の発達プロセスに関する研究案
今はまだ優しい太陽がフローニンゲンの街全体を包んでおり、雨が降る様子はない。午後から行われるミヒャエル・ツショル教授とのミーティングが終わり、自宅に帰るまでになんとかこの天気がもって欲しいと思う。 午前中からスヴャトスラフ・リヒテルの演奏するバッハを聴き続ける中で仕事を進め...
2067.『ティール組織』について:組織開発への発達理論適用の注意点
『ティール組織』について:組織開発への発達理論適用の注意点
1387. 変化と知識の網の目について
早朝、イマヌエル・カントの“Critique of Pure Reason”を音読している時、一つの記述に立ち止まった。改めて考えてみると、一つの現象が変化するというのは実に不思議かつ奇妙なことのように思える。 変化というのは、前の状態と異なる状態に移行することを余儀なくさ...
1300. 淡々とした一日
ふと時計を見ると、夜の九時に近づいていることに気づいた。今日はいつも以上に、時間があっという間に過ぎ去っていったように思う。 それでいて、改めて今日という一日を振り返ってみなければ、自分が何をしていたのかを覚えていないような一日だった。今日も間違いなく自分の取り組むべきこと...
1188.能力開発と能力測定の誤解
午前中の仕事に取り掛かる前に、最後にもう一つだけ書き留めておきたいことがあった。 それは、第二弾の書籍『成人発達理論による能力の成長』に記載した、「能力の高度化と実践力」の関係性についである。私は本書の中で、能力の高度化に伴って実践力が高まるということの意味について説明し、...
850. 発達理論に関して進展のないインテグラルコミュニティー
午前中の最初にネットワーク科学に関する専門書を読んだ後、当初の計画であれば、現在の私の研究で活用している非線形ダイナミクスの手法である「交差再帰定量化解析」に関する一つの論文を読む予定であった。 何のきっかけか、久しぶりに、米国の発達論者ケン・ウィルバーが提唱したインテグラ...
226. 普遍性の獲得プロセスとしての人間発達
チェコの作曲家アントニン・ドヴォルザークの『新世界より』がiTunesから流れ出す。これは、私が5年前に渡米する直前に知人から頂いたCDである。 この曲の第二楽章は、日本において『遠き山に日は落ちて』として広く知られている。私が長く時間を過ごした山口県の故郷では、夕方の時を...
196. 知性・能力発達に関するカート・フィッシャーの五つの段階モデル
過去のいくかの記事を通じて、私が在籍していたマサチューセッツ州の発達測定専門機関レクティカの測定手法について紹介してきた。Lecticaのいかなる測定手法も「LAS」と呼ばれる評価システムを基盤にしていることをこれまでの記事で見てきた。...
182. 読者の方から寄せられた質問事項(No.6):発達段階5を超えた世界〜ポスト・ポストモダニズムへの視点
拙書 『なぜ部下とうまくいかないのか:「自他変革」の発達心理学』について、新たに頂いたご質問を紹介したいと思います。今回のご質問は、発達段階5を超えた世界に関するものであり、この論点は他の読者の方も関心を持っておられるのではないでしょうか?...
165.「領域全般型」の測定手法の誕生:マイケル・コモンズの階層的複雑性理論
「記事163. ローレンス・コールバーグからカート・フィッシャーへと受け継がれる思想:多様な知性領域に存在する領域全般型の特性」では、ローレンス・コールバーグからカート・フィッシャーに受け継がれた発達思想「領域全般型の発達特性」について紹介しました。...