1320. ここでしか育まれえぬ思考と感覚
早朝、この夏の北欧旅行の旅程について書き留めた。文章を書き終える頃には、辺りもすっかり活動的な午前中の様相を呈し始めた。 先ほどは、北欧旅行の外形についてしか触れないようにしていたのだが、それでも自然と今回の旅の各地でもたらされるであろう思考や感覚などが自発的に湧き上がって...
1318. 風土と自己
今朝は五時半過ぎに起床し、六時から仕事を開始した。午前十時を迎える段階で、すでに七本ほどの論文に目を通すことができ、今日は論文の読み込み作業が非常にはかどっている。 ここで一息つくために、コーヒーを飲みながら少しばかり文章を書き留めておきたいと思う。 ...
1313. 一羽のカモメの教え:表現行為の動因から形へ
何かに近づきつつあるという感覚と何かとの距離が広がりつつあるという感覚が同居するような感覚。何かを積み上げては壊し、また何かを積み上げていく中で何かを生み出していく感覚。 そうした感覚を日々抱いている。一羽のカモメが書斎の窓の近くを横切り、早朝の夏の空を優雅に飛んでいるのが...
1310.「かくあらねばならぬか?」「かくあらねばならぬ」
夏季休暇に入ってからもう少しで一ヶ月が経とうとしている。この一ヶ月を振り返ってみると、その歩みは順調だ。 どのような意味で順調かというと、自分のなすべきことが遅々として進んでいないが着実だという意味である。時が流れるのを早く感じることも遅く感じることもないように、時の流れに...
1217. バッハのシンフォニアより
早朝、日記を少しばかり書き留めていると、自分の文体が揺らいでいることに気づいた。文体を支える土台が揺れており、言葉に生命力のようなものが宿っていないことに気づいた。 文体というのは、その人を映し出す鏡のような特徴を持っており、その人の本質的な特性を映し出すだけではなく、より...
1214. マルチフラクタルトレンド除去変動解析と埴谷雄高著『死霊』
今朝は少しばかり早く起床したためか、午前中の仕事の合間を縫って、先ほどソファの上に腰掛けながら、しばらく目を閉じていた。およそ10分ほどであろうか。 目を閉じていると、夢の世界の入り口の前にたたずんでいるような感覚に包まれた。実際に、言葉にならないような映像が自分の脳裏に浮...
1213. ミサ曲の感動と型について
深く静かな感動に私は包まれていた。このところ、仕事をする際には、絶えずモーツァルトの協奏曲を聞いていた。 毎日、14時間ほど延々とモーツァルトの協奏曲を聴いている私の心は非常に落ち着いており、それもあってか、全ての仕事が一つの統一的な規律の中で営まれていることがわかる。ここ...
1147. 作曲実践の進展
昨日と同様に、今日も気温が低い。日本はそろそろ梅雨入りの時期だろうか。 フローニンゲンは、先週は日中日差しの強い日もあったが、ここ最近はまた肌寒い気候に戻っている。昨夜の就寝前に寝室の寒さを感じ、また、起床直後にも室内全体が寒いように感じた。...
1121. 表現形式について
五時半に起床した私は、朝の習慣的な実践を終え、六時から自分の仕事に取り掛かり始めた。するとすぐに、とりとめもないことを考え始めている自分が現れた。 それは、自己の内側にあるものを外側に表現する際の形式に関するものであった。自分の内側の思考や感覚を外側に表現する際には、それが...
1109. 先人の固有性を感得すること
季節という一つの巨大なダイナミックシステムが非線形的な変化を遂げ、フローニンゲンの街にも新たな季節が突然やってきた。春を通り越して初夏を思わせるような日曜日であった。 早朝から終始一貫して晴天に恵まれ、書斎の窓から広がる景色は夏の様相を呈していた。季節が変わろうとも、仮に世...