263. 忘却と発達
気づきを得るというのは、ある対象を掴み取るということだけを表すのではなく、掴んだ対象から新しい何かを「開く」ことも意味しているのではないだろうか。ある対象に対して気づきを得ることによって、その対象に光が帯び、その光がまた別の対象を照らし出すという連続的なプロセスである。...
159. 成人以降の知性発達理論をより深く理解するために:インテグラル理論と方法論的多元主義について
記事「158. 発達理論の歴史と最新の発達測定手法LASについて」の続き これまでの記事を通じて、何度か「インテグラル理論」について言及をしてきました。知性発達理論を語る上でインテグラル理論の枠組みを避けて通ることはできないのですが、未だ当該理論は日本における成人以降の知性...
141. ラスキーが提唱する測定手法に対する批判的意見
ラスキー先生の下で受けたトレーニングの中で最も時間を要したのが弁証法思考に関する学習です。トレーニングの中で、ソクラテス、アリストテレス、ヘーゲル、サルトル、ロイ・バスカー、ハンナ・アレントなどの哲学思想を学ぶことが要求されており、さらにマイケル・バサチーズ、マイケル・コモ...
140. 「弁証法思考」に対する誤解:オットー・ラスキーが提唱する高度な思考形態
現在でも何かあるたびにやり取りをしているのですが、JFK大学院時代にお世話になっていたオットー・ラスキー先生が執筆した論文や書籍を少しずつ読み直しています。私はラスキーの測定手法から距離を置いているというのが現状ですが、人間の意識に関する彼の理論モデルから今でも多くのことを...