

240. ダイナミックシステム理論と多様な応用領域
抑えがたく高鳴る胸の鼓動を感じながら、深海の真っ暗闇に差し込む光を仰ぎ見ている心境である。こうした心境になっている自分を見るにつけ、渡欧の日が着実に迫ってきているのを実感する。 9月からのフローニンゲン大学では、複雑性科学と発達科学の双方をありとあらゆるエネルギーを注ぎ込ん...


224. フローニンゲン大学での修錬:二年目のプログラムに関する概略
早朝の日課として、目覚めた直後に身体をその日の探究・実践活動に最適なものにするために、20分間ほど簡単な身体運動(合気道を習っていた頃に教わった準備運動と自分が長らく実践をしているヨガを合わせたような運動)を行っている。...


220. 生態系(ecosystem)としての知性発達
先日から数回にわたり、発達理論に造詣の深い知人の方と意見交換をさせていただいていた。ロバート・キーガンが提唱した構成的発達心理学(constructive developmental psychology)やピアジェ派や新ピアジェ派の構造的発達心理学(structural...


219. 母校の思い出と大月康弘先生
——世界を識ることは己を知る途でもある——大月康弘 変わることのない景色が、ある日突如として別の姿を露わにする瞬間に立ち会ったことはないだろうか?4年間通った母校を久しぶりに訪れた時、あの時と変わらない佇まいの兼松講堂や時計台は、もはや当時とは質的に異なる何かを発しているよ...


218. 成長・発達に不可欠な権威的存在
先日、クライアントとのセッションの中で、一つ興味深い論点が浮上した。「父性」あるいは「力強さ」と呼ばれるものの大切さについて話題となった。 拙書『なぜ部下とうまくいかないのか:「自他変革」の発達心理学』を読んで誤解を与えてしまっていたのであれば申し訳ないのであるが、段階5を...


206. 発達科学と複雑性科学を架橋した功績者ポール・ヴァン・ギアートについて
私がフローニンゲン大学に留学することを決定付けた人物、それがポール・ヴァン・ギアートである。ヴァン・ギアートがいなければ、発達科学と複雑性科学の接点に出会うこともなかっただろうし、自分の研究や実践に複雑性科学のアプローチを採用しようと思わなかっただろう。...

201. オランダ語の習得について:言語空間のフラットランド化に抗って
先日、恩師であるオットー・ラスキーからメールをいただいた。私がオランダに留学しに行くということを告げて以来、メールの最後には必ずオランダ語で書かれたメッセージが残されている。「オランダ語も学びなさい」という親心だろうか。...


194. フローニンゲン大学での修錬:一年目のプログラム内容(その3)
記事193に引き続き、フローニンゲン大学での一年目のプログラムで履修する6つの科目の内、残り2つのクラス内容について簡単に紹介したい。 5-1. 成人発達とキャリアディベロップメント 成人以降の発達を専門とし、企業組織と協同させていただく機会が多いという都合上、キャリアの発...


192. フローニンゲン大学での修錬:一年目のプログラム内容(その1)
前回、一年目のプログラムの概略について紹介したので、今回は前回積み残しになっていた6つの履修科目のうち2つを取り上げて、その内容について簡単に紹介したい。 1. タレントディベロップメントと創造性 この授業を受け持つのは、プログラム責任者であるルート・ハータイである。ハータ...


190. フローニンゲン大学での修錬:一年目のプログラムに関する概略
オランダのフローニンゲン大学で8月から何を学ぶのかについて、これまでほとんど何も言及してこなかったように思う。自分自身の思考を整理する意味でも、フローニンゲン大学で学ぶ内容について紹介したい。 欧州の大学院における修士プログラムは、一年で完結するものが多く、私はオランダにま...