

307. 言語能力を変容させる論文執筆
研究者としての留学が本格的に始まるまで、いよいよ二週間を切った。時間的に余裕があるため、学位取得論文に関して今のうちから準備を進めていきたいと思う。修士論文を執筆するのは、米国ジョン・エフ・ケネディ大学時代を含めて二回目となるが、今回の修士論文は研究者としての今後の自分を左...


306. 対人支援産業について思うこと
「洋平、それは自分よりもサスキアの方が詳しいから彼女に質問してみることをお勧めするよ」ということを、私がフローニンゲン大学で在籍するプログラムの責任者であるルート・ハータイに言われたことがある。 ルートの対応はいつも実に誠実かつ紳士的であり、彼は私のメンターでありながらも、...


300.「美」と「組織のイノベーション」に関する脱神秘化
——学術論文とは、人類への手紙である——ウンベルト・エーコ 森有正先生の全集のどこかで、バッハの音楽は主観的・直感的に生み出されたものではなく、客観的に秩序化された音楽的方法論に基づいて生み出されている、というような記述を見かけたことを記憶している。つまり、バッハは自分の音...


298. 予知夢と時の扉
——偶然はそれを受け入れる準備ができた精神にのみ訪れる——ルイ・パスツール 昨日夕食を食べている時に、不意に奇妙な感覚に襲われた。食卓から眺めているこの景色をオランダに来る遥か前に見たことがある、というものだった。厳密には、食卓の窓から眺める景色と、ここでこのように夕食を食...


296. 叡智からの排斥
「学術的な叡智から自分は閉め出されている」ということを感じ始めたのは、ジョン・エフ・ケネディ大学での修士課程が終わり、ニューヨークで働き始めた時だった。当時の私はニューヨークに住みながら、隣接するマサチューセッツ州のレクティカでの仕事に従事していたのだ。...


295. フローニンゲン大学の大学図書館
昨日、大学のメイン通りを歩いていると、フローニンゲン大学の関連グッズが購入できるお店を発見したのでちょっと立ち寄ってみた。記念に大学の校章の入ったポロシャツでも買おうと思ったが、男性用のSサイズでも大きすぎであった。 不恰好になることを避けるため、女性用のMか、あるいはSサ...


294. 組織のイノベーションについて:創造性理論とシステム理論の観点より
この日は午前中にジル・ドゥルーズの “Difference and repetition”を読み、午後からミハイ・チクセントミハイ(1934-)の “The systems model of creativity: The collected works of Mihaly...

290. 欧州小旅行計画
今日は先ほど、久しぶりに天気雨に見舞われた。空は晴れているのに雨が降るというのは不思議だな、と思っていた幼少時代のある記憶が鮮明に蘇ってきた。この記憶を再想起したことはおそらく初めてだったので、オランダのこの予測のつかない天候に対してある意味感謝をした。...


278. 一年目の修士論文概略
研究者としての留学が本格的に始動するまで、後3週間ほどある。現地入りを早くした理由は、プログラムが開始すると同時に、自分のリズムで研究活動を行うための身体的・精神的な準備期間が必要だと思ったからだ。 フローニンゲン大学での一年目の修士課程では、ダイナミックシステム理論を活用...


277. 黒輝な物体に思いを馳せて:路肩を歩く馬から学んだこと
家のリフォームも無事に完了し、本日はフローニンゲンの中心街へ散策に出かけた。新居の周りは非常に閑静な住宅街であり、朝昼晩ともに嘘のように静かである。綺麗に整備された家の前の大きな道路を通る車も通行人も少なく、今までに味わったことのない小さな人口密度である。...