537. 「複雑性と人間発達」コースの開始
今日は、待ちに待った「複雑性と人間発達」というコースがスタートする日である。私がフローニンゲン大学に来た最大の目的は、このコースを受講することによって、発達研究にダイナミックシステムアプローチを適用する理論的・技術的な力を高めることであった。...
536. 真冬のほふく前進
どんよりとした雲が空を立ち込め、小雨が降る形で、今日という一日が始まった。昼食後、少し仕事をした後に仮眠をとって目覚めてみると、雲の間から太陽が顔を覗かせていた。 太陽を取り囲む雲も、黒い雨雲から白い雲へと変化を遂げていた。先週から、フローニンゲンの街の最低気温はマイナスに...
529. 内側の灯火と超常現象
今朝、目を覚ましてみると、昨日と同様に、書斎から見える大通りに霜が積もっていることに気づいた。外は完全に冬景色である。そうした外の寒さとは対照的に、自宅の中は非常に暖かい。 こうした外と内とのコントラストは、ニューヨークに在住していた時と状況が似ている。しかしながら、両者で...
528. 国際司法裁判所からの出発
国際司法裁判所の門前で、私は時計塔と平和宮をただただ眺めていた。帰りの列車の時間が迫ってきていることに気づいたのは、しばらく経ってからのことだったと思う。 フローニンゲンへの直行便に乗るためには、ここで国際司法裁判所と別れなければならなかった。時計塔と平和宮を背にし、デン・...
526. 視覚の魔術師マウリッツ・エッシャーとの邂逅:エッシャー美術館にて
デン・ハーグを訪れる計画を立ていた時に、その街にあるエッシャー美術館には必ず足を運ぼうと思っていた。私が現在住んでいるフローニンゲンからわずか数十キロ西にある街、レーワールデンで生まれたエッシャーとの最初の出会いがいつであり、どこだったのかは定かではない。...
525. デン・ハーグ訪問記:「マウリッツハイス美術館」より
デン・ハーグ中央駅から、まずはデン・ハーグにある最も有名な美術館と呼んでも過言ではないであろう「マウリッツハイス美術館」に向かって歩き出した。デン・ハーグの街を歩いてみてすぐに気づいたのは、フローニンゲンの街とはこれまた一風変わったものが息吹いている、ということであった。...
524. デン・ハーグへ向かう列車より
フローニンゲンからデン・ハーグ行きの列車に乗り、しばらくの時間が経過した。オランダの国内地図をまだ正確に把握していないため、主要都市の地理的関係が少し曖昧である。 そのため、デン・ハーグ行く最中に、かなり多くの地名を頭に入れることができ、それらの位置関係を掴むことができるよ...
523. 想いの地、デン・ハーグヘ
今からおよそ三ヶ月前の欧州小旅行と似たような気持ちが湧き上がる朝であった。今日は、早朝の六時過ぎに自宅を出発し、デン・ハーグヘ観光に出かけた。自宅のドアを開けると、そこは完全に冬の朝であった。 身体の芯に届くかのような寒さがそこに広がっており、糸を張りつめたような静けが辺り...
520. 誤解多きシステム思考について
今日もとても寒い一日であった。先日、洗面台の鏡を通して自分の姿を見ると、オランダに来てから自分の髪の毛が伸びる速度が速くなったように思った。そのため、今日はフローニンゲンの街の中心部に髪を切りに行った。 フローニンゲンの街の中で、日本人の髪を上手く切れる美容師がいて本当に助...
517. 冬の中の灯火
フローニンゲンの街も完全に冬に入ったようである。早朝、書斎の窓から目の前のストリートを眺めると、厚手のコートやニット帽に包まれた人たちが懸命に自転車を漕いでいるのが見えた。 私も今日からいよいよ、自宅のヒーターを活用し始めた。ここからしばらくは、長い冬の時期となる。私は特定...