657. ザルツブルグと人生の舵
今日は正午過ぎに、突発的に大きな粒のあられが降った。窓に激しく打ち付けられるあられを見ながら、ザルツブルグで春に開かれる国際会議に思いを寄せていた。 今目の当たりにしている冬の景色の影響だろうか、春のザルツブルグはどのようなものなのかを想像しただけで、心踊る気持ちにならざる...
654. 研究の新たな方向性とやるべきこと
昨日は、午前中と夕方が同質の闇と静けさを持っていた。二つの鬱蒼とした雰囲気に挟まれていたのが、昨日のフローニンゲンの街であったと言っていいだろう。 ただし、昼前から午後にかけては太陽が差し込んでいた。そのため、私は気分転換に近くのサイクリングロードにランニングに出かけていた...
648. 非線形ダイナミクスの興味深い研究手法
いよいよ今日から2017年の学期が始まった。今日はフローニンゲンに戻ってきて初めてのクラスがあった。具体的には、「複雑性と人間発達」というコースの第六回目のクラスである。 早いもので、全七回のクラスのうち、今日のクラスを除けば残すところあと一回のクラスとなる。自宅を出発し、...
644. 新たな食生活と初期値問題
昨日は、フローニンゲンの街の中心部にある行きつけのチーズ屋に足を運んだ。このチーズ屋にはいつもお世話になっている。チーズ屋でチーズを購入するのではなく、いつもナッツ類をここで購入している。 いつもこのチーズ屋を切り盛りしている二人の店員は、とても親しみやすい。今日も簡単に言...
643. 緩やかに進行する仕事
早朝の五時前後に起床すると、午前中の間にかなり多くの仕事をこなすことができる。午前中はまず最初に、アムステルダム大学教授ピーター・モレナーの論文 “A manifesto on psychology as idiographic science: Bringing the...
642. 心のゆとりと豊さ
フローニンゲンに戻ってきて三日目の朝を迎える。昨日、再びこの街で地に足を着けて生きるための儀式として、ザーニクキャンパスにつながるサイクリングロードをランニングした。 幾度となく眺めてきた景色が私の心を深く落ち着かせる。このランニングのおかげで、心身の状態が整ったと言える。...
640. 欧州生活第二章の開始
日本からフローニンゲンに戻ってきての二日目の朝を迎えた。自分がより大きな総体と一体となっている感覚のもと、全ての活動に従事するための活力が、淀みなく内側を流れているのが手に取るようにわかる。 一昨日、フローニンゲン駅に到着した時に感じた帰郷感が示すように、オランダ北部のこの...
639. フローニゲンからの再出発
昨夜、日本からフローニンゲンに帰ってきた。フローニンゲン駅に到着した時、もはや安堵感を超えた帰郷感が私を襲った。 到着したのは夜の十時前であった。駅から一歩外に出た時、視界に広がっていたのは白銀世界であった。私がフローニンゲンの街を離れたのは、今から二週間前のクリマスイブの...
624. 呼吸のように
今年も年末にかけて、集中的に文章を執筆し、第二弾の書籍の原稿を書き上げることができた。文章を書いている最中と書き上げた後に、日記に言葉を綴る余力がなかったことは以前に言及していたように思う。 日本に一時帰国してからも、東京の街を観光していたり、島根に旅行に行ったりしていたた...
623. オーロラと統一体
今年のクリスマスイブは成田行きの機内の中で過ごした。今回はアムステルダムからヘルシンキを経由して成田に向かう便であった。 北欧路線の搭乗中に、運が良ければオーロラが見えると前々から聞いていたため、あえてパリ経由やフランクフルト経由ではなく、今回の路線を選んでいた。それぐらい...