870. ピアノの即興演奏とシンクロナイゼーション
モネの絵画が醸し出す色彩感覚を彷彿させるような夕暮れの空が、食卓の窓から目に飛び込んできた。 あるいは、ドビュッシーのピアノ曲の旋律が映り込んだかのような夕暮れの空が、食卓の窓の外に広がっていた。その夕暮れの空に溶け込むことができたらどれほど心地よいだろうか、と思った。...
862. ザルツブルグ、フローニンゲン、ブダペストでの学会に向けて
先ほど無事に、ウィーンでの宿泊先とザルツブルグでの宿泊先を確保することができた。基本的に、旅先の日中は外出しているため、また今回の旅も一人でのものであるため、いつもそれほどこだわったホテルを選択しているわけではない。 あえて気にかけていることは、周りの環境や最寄駅の近さなど...
844. シンクロナイゼーションについての再考
今日の天気は、雨雲が空に留まり続けているのみならず、気温も低い。そういえば、春の始まりを予感させる数日前に、行きつけのチーズ屋に立ち寄った際のことをふと思い出した。 そのチーズ屋を切り盛りする二人の店主とは大変仲が良くなり、先日も立ち話を少しほどしていた。その日はとても暖か...
831. 入力と出力への渇望感
先週から引き続き、今週の前半も良い天気に恵まれている。しかし、あいにく今週末から再び数日間ほど天気が崩れるそうだ。 今日の午前中は特に天候に恵まれていたため、午前中の仕事がひと段落着いたところで、ランニングに出かけた。足取りは非常に軽く、心躍るようなリズムでランニングの足を...
829. オランダでの三年目の生活について
昨日の夕方は、インドネシア人のタタと、「複雑性とタレントディベロップメント」のコースのグループ課題についてミーティングを行っていた。待ち合わせ場所のキャンパスのカフェテリアに着くと、すでにタタがそこにいた。 ご存知の通り、インドネシアは冬というものがなく、タタにとってはこの...
828. 精神と身体の浄化
直近の二日間の自分の有り様をまだ少し振り返っている。確かに、それは仕事への没入のように思えたが、私が理想とするような没入の形とは幾分異なっているように思えた。 真の意味で対象と没入する際には、自己が完全に溶解し、時間を超えていくはずなのだ。そこには、もちろん時間感覚などが生...
819. うららかな春の朝の恩寵
早朝、いつもと同じ時間に目を覚ました瞬間に、何かが違うと感じた。寝室の窓の外に広がる景色が、これまでのような闇の世界ではなく、薄青色の世界になっていたのだ。 日の出が早くなり、いよいよフローニンゲンの街にも春が近づいてきていることを感じ取った。思えばこの三週間は、断続的な雨...
816. 濃霧と巨大なエネルギー体
昨夜から少し気づいていたのだが、日が落ちるのが遅くなっている。また、今朝起きた瞬間に気づいたのは、日が昇るのが早くなっているということだ。 いよいよ新しい季節が到来する予感がする。そのような期待の入り混じる気持ちの中において、早朝の書斎の窓の外に広がる霧の世界は、それはそれ...
814. 60年後のその日に向かって
今日の午後に、大学の図書館で論文をコピーしている最中に、やはりフローニンゲンには少なくとも三年間留まっておきたいという思いが噴出した。 この計画は、以前から可能性として残していた程度のものだったのだが、先ほどの図書館内での一件以降、実現可能性の高いものとして浮上してきた。当...
812. 問題解決と発達
今朝は起床直後に、幻想的な景色を書斎の窓から見た。フローニンゲンの街も徐々に春に近づいてきたためか、朝日が昇る時間が早くなってきている。 太陽が早朝の闇から抜け出ることを知らせるかのように、辺り一面が薄赤紫色に照らされたのである。このような光景はこちらに来て初めて目撃した。...