2568. 友人の演奏会に参加して
穏やかな風が吹いている。早朝のフローニンゲンの空には薄い雲がかかっていて、それがうろこ状に見える。うろこの隙間から早朝の太陽の光がわずかばかり差し込んでいる。 とても静かな早朝。昨夜は、友人のピアニストの演奏会に参加した。...
2534. 生きた絵画の恩恵
これまで何度か日記で書き留めているように、私はいつも書斎の中で、外に広がる景色が見れる窓の方を向きながら仕事を行なっている。この窓はちょうど大型テレビぐらいの横広がりの大きさを持っている。 その窓から見える景色の有り難さを先ほどはたと気づかされた。ちょうど朝食のリンゴを食べ...
2421. 【中欧旅行記】ショパン博物館を訪れて
たった今、ショパン博物館を訪れてきた。開館に合わせて11時前にホテルを出発し、ほぼ開館の時間に到着した。 今朝ワルシャワの街の中を歩いている最中、昨日の感覚とはまた少し違うものを感じていた。今日が土曜日であるからだろうか、昨日よりも少しばかり陽気な雰囲気が街の中に滲み出して...
1679. とある日曜日の午前に
今日の午前中は、気づけば結局、一切の仕事に着手しなかった。早朝の六時半から正午まで、ずっと音楽に関する調べ物をしていた。 とりわけ、ショパンの生き様と彼の作品について多くの時間を充てて調べていたように思う。ショパンに対して行ったのと同様のような調べ方を、リストとメンデルスゾ...
739. 生成の波と創造性の四つの発達段階
一昨日、昨日はともに、音楽の流れに乗っていたという感覚がある。それは音楽の旋律や律動に乗っていたということではない。 作曲家がその楽曲を作った根元にある生成の波に乗ったということである。どうも私には、何かを絶えず創造し続けることができた者たちの共通事項として、こうした生成の...
335. 流れ込む音楽世界
いよいよフローニンゲンも秋に入ってきたようだ。今日の最高気温は20度に満たない。どんよりとした雲が私の手前に見え、青空と薄い雲が彼方に見える。 今朝起きてから、数日前に見た夢について少し考えていた。その夢の中では、幾つかのクラシック音楽の楽曲が組み合わさり、大伽藍となって私...
317. 欧州小旅行記:景観美を体現した街、スイスのニューシャテルへ向かって
本日のシュツットガルトは晴天であった。早朝八時前の肌寒い気温の中ホテルを出発してみると、昨日とは違った顔のシュツットガルトを見ることができた。 昨日の日中は、街中に観光客が溢れ、少しばかり落ち着かないような雰囲気を醸し出していたシュツットガルトの街も、早朝のこの時間であれば...
313. 欧州小旅行記:バッハ博物館を訪れて
ライプチヒの二日目の午後に訪れたのは、バッハ博物館である。バッハ博物館について紹介する前に、ライプチヒが本当に「音楽の街」と形容されるにふさわしい特徴を一つだけ紹介したい。 実は昨日のシューマン博物館を訪れた際に、受付の女性から一枚の薄いパンフレットを頂いていたのだ。そこに...
312. 欧州小旅行記:メンデルスゾーンの虹色の音楽を浴びて
昨日のライプチヒでの体験は非常に密なものであり、正直なところ、昨夜の睡眠を経てどれだけその体験が消化されているのかを目覚めと共に確かめる必要があった。シューマン博物館で獲得したあの「確信」が、自分の中の一本の筋として存在していることを無事に確認してライプチヒでの二日目を開始...
290. 欧州小旅行計画
今日は先ほど、久しぶりに天気雨に見舞われた。空は晴れているのに雨が降るというのは不思議だな、と思っていた幼少時代のある記憶が鮮明に蘇ってきた。この記憶を再想起したことはおそらく初めてだったので、オランダのこの予測のつかない天候に対してある意味感謝をした。...