444. 時空の交差と文脈
緯度の高いヨローッパ地域に特有の晴れの少ない冬に入りかけているのを感じている。そうした最中、朝一番の仕事を終えた後、ノーダープラントソン公園へランニングに出かけた。目を凝らして観察をしながら公園内を走っていると、前回のランニングとは違うわずかな変化を、公園内の自然から見て取...
325. 欧州小旅行記総括:時の流れの感覚質と新たな出発へ向けて
いよいよ欧州小旅行を終え、パリから西回りでベルギーを通ってオランダに帰る。奇しくもこの旅の終わりは、リオ五輪の終焉と同じ日であった。 現在、この文章をオランダへ戻る列車の中で書いている。今回の旅を一言で総括するならば、非常に濃密な時間と感覚に包まれた旅であったということだ。...
324. 欧州小旅行記:ルーブル美術館で見た哀れな『モナ・リザ』
昨日の段階でパリ滞在の目的をすべて果たし終えたため、最終日はルーブル美術館をゆっくり巡ろうと思った。「ルーブル美術館は一日で見て回ることができない」という言葉は、各方面から頻繁に耳にするが、果たしてどれほど大きな美術館なのかを確かめてみたかった。...
323. 欧州小旅行記:ノートルダム大聖堂の妖気
デカルト通り39番地にある辻先生の旧宅の前でしばらく時間を過ごしていた。その場で立ち止まりながら、辻先生はどのような日々をこの街で過ごしていたのかについて想像を巡らせていた。『パリの手記』には記述されていないような先生の心の動きや表情を想像していたのだ。...
322. 欧州小旅行記:森有正先生と辻邦生先生ゆかりの地パリでの確認
ニューシャテルから四時間弱の列車の旅を終え、ようやくパリ中心部のリヨン駅に到着した。列車を降りてプラットホームを踏んだ瞬間に気づいたのだが、パリへは初めて訪れたにもかかわらず、ここは馴染みのある感じの土地だとわかった。どちらも共に正しいと思うのだが、パリは私のことを全く相手...
321. 欧州小旅行記:パリへ向かう車窓の景色から教えられたこと
今日はいよいよスイスを出発し、パリに向かう日だ。昨日は九時過ぎに就寝し、早朝目覚めた時にパリに向けての体調も万全であると確認することができた。少し早めの朝食をニューシャテルのホテルで済ませ、パリ行きの列車がやって来る駅に向けて出発した。...
290. 欧州小旅行計画
今日は先ほど、久しぶりに天気雨に見舞われた。空は晴れているのに雨が降るというのは不思議だな、と思っていた幼少時代のある記憶が鮮明に蘇ってきた。この記憶を再想起したことはおそらく初めてだったので、オランダのこの予測のつかない天候に対してある意味感謝をした。...