3876. 大伽藍の建設に向けて
自分が毎日短い日記を書き、短い曲を作っているのは、その日一日を大切にしたいという思いと、その日の今という瞬間に掴まれる感覚を大切にしたいからなのだろう。 欧州での生活を経て、遅まきながら、ようやく自分の特性というものが明確に自覚されるようになった。私は、長大な時間をかけて一...
3875. パリ小旅行計画
時刻は午前七時半に近づきつつある。今、白いカモメたちが、早朝の淡い空の下を優雅に舞っている姿が見える。彼らの目的や意思が何なのかはわからないが、とにかく優雅に空を旋回している。 今この瞬間の空を見る限り、今日は雲がほとんどなく、良い天気になることが予想される。近くの空はライ...
3873. パリとの再会の日に向けて
つい先ほど散歩から戻ってきた。このように天気の良い日に散歩に出かけること、そして何より今日のように休日の雰囲気を感じながら散歩することの喜びを改めて噛み締める。 今日はこれから、ラヴェルに範を求めて作曲実践をする。参考にしようとしている曲は、構造的にそれほど複雑ではない。...
3835. 場所との縁とパリ小旅行計画
時刻は午後の七時半を迎えた。つい先ほど、本日の夕食を摂り終えた。 今日は一日中良い天気に恵まれ、夕方には息を呑むほどに美しい夕日を拝むことができた。雲が一切ない分、特殊な輝きを持つ夕焼け空が広がっていた。 そんな夕焼け空の下で、小鳥たちが木々に止まって高々と鳴き声を上げてい...
3687. フランス&ベルギーへの小旅行計画:パリの楽譜専門店
今朝は六時半に起床し、七時から一日の活動を始めた。七時を迎えると、辺りは真っ暗闇に包まれているにもかかわらず、人々が活動している様子がちらほら見えた。 遠くの通りを行き交う車や、目の前の通りを行き交う自転車を見ていると、その様子がわかる。今日は週の半ばの水曜日である。今日も...
3682. 絶えず描いた画家ピカソに会いに行く
「この春に、アントワープとパリに足を運ぼう」 そのようなことを昨夜ふと思った。 昨夜は、ピカソについてあれこれと調べていた。ピカソは生涯に、およそ1万3500点の油絵と素描、そして10万点の版画を残したことを知り、改めてその偉業に感銘を受けた。...
1683. 文化的堆積
欧州の土地に息づくものについて文章を書き終えた瞬間に、また別の考えが思い浮かんだ。これまで、日本、北米大陸、欧州と、三つの大陸で生活をしてきたが、大陸間ごとに異なる文化的堆積があることは言うまでもないことだと思う。 もちろん、北米大陸の中で私が生活をした米国においても、それ...
1433.【北欧旅行記】エドヴァルド・グリーグの熱量に引き寄せられて
エドヴァルド・グリーグ博物館に訪れることができたこと、そしてグリーグというノルウェーを代表する作曲家の思想と生き方に触れることができたこと。それらはどちらも今回の北欧旅行を語る上ではなくてはならないものであり、今日の感動を忘れることはないだろう。...
1003. 哲学の力と概念の力
なぜだか私は、ベートーヴェンのピアノソナタ第17番の第3楽章が始まるといつも仕事の手を止める。意識を向けようとせず意識がそこに向かうのだ。 『テンペスト』と呼ばれるこの曲、特に第3楽章は、必ずその存在を私に訴えかけてくる。そこに意識が向かう時、それが第17番の第3楽章である...
743. あの夏、デカルト通り39番地で
私はあの時パリにいた。セーヌ川左岸に位置する5区と6区にまたがるカルチェ・ラタン界隈を私は歩いていた。それは昨年の夏の出来事である。 カルチェ・ラタンは学生街としても有名な場所であり、フランスを代表する大学がこの地区に幾つも点在している。あの夏私がパリを訪れたのは、世界を代...