334. 本格的なオランダ語学習への始動
いくら多くのオランダ人が英語が達者だとしても、オランダでは極力オランダ語を使って生活しようと決心した。これは幾つかの理由に基づく。 一つ目は、オランダの公用語はやはりオランダ語であり、この国の文化の土壌はオランダ語によって育まれたものであるため、オランダ語を理解しなければこ...
285. 純粋経験からの出発
この瞬間において偶然だと思っていることが果たして本当に偶然なのかどうかを考えている。というのも、そうしたことを考えざるをえないぐらい、昨年以降、実に不思議な偶然が多発しているのだ。 先ほど湯船に浸かりながら、自らの個別的な体験と徹底的に向き合うことによって、普遍的な何かを掴...
260. 不思議な夢とデカルト
今朝、不思議な夢を見た。『魔の山』の作者として有名なトーマス・マンの時間論の観点から人間の発達を捉え直す必要がある、ということをつぶやいている自分が夢の中に出てきた。そもそも、このドイツ人の小説家が時間論を展開していたかどうか定かではなく、どうやら複数の記憶と自分の現在の関...
134. ダイナミック・スキル理論誕生史:デカルト的認識論を超えて
それでは前回の記事で紹介した「デカルト的認識論の呪縛」を一歩先に進めて、今回の記事は、デカルト的認識論が支配的であった当時の発達思想(メタファー)を概説するとともに、デカルト的認識論を乗り越えたダイナミック・スキル理論が提唱した新たな発達思想(メタファー)を紹介します。...
58. 構成主義的アプローチ:デカルト的発達思想・静的構造思想を超えて
身体的システム、心理的システム、社会・文化的なシステムなど、諸々のシステム間に存在する関係性の中で私たちは生きていると主張する構成主義的発達思想は、人間の発達に関して、デカルト的発達思想が見逃してしまった要素に着目することを出発点として誕生しました。...
54. 新生得主義の誕生とその限界点
発達現象の可変性が認められるにつれて、発達理論のフィールドの中に新しい思想立場が生まれました。それは、「新生得主義」と言われるものです。新生得主義も発達構造を静的なものとみなすパラダイムの傘下に置かれているのですが、既存の段階モデルに代替する理論的枠組みとして一時期注目され...
50. 既存のパラダイムの死と新たなパラダイムの誕生
発達理論という一つの科学分野が経験してきた、パラダイムの転換に伴う苦難に目を向けてみると、パラダイムの変革が起こったというよりも、現在はその過渡期にあると述べた方が適切でかもしれません。 カート・フィッシャーが指摘するように、発達理論が果たすべき主要な役割は、人間の発達現象...
45. 学習プロセスと静的構造モデル
これまでの記事で述べてきたように、デカルト的な思想は、科学の領域や心理学の領域の支配的なフレームワークとなっていました。そのため、本来動的である人間の心のみならず、自然科学や社会科学における様々なシステムが静的な構造として扱われるようになってしまったのです。...
44. プラトン→カント→チョムスキーへと受け継がれる静的構造主義の系譜
これまでの記事で、心の発達に関する生得論的アプローチと経験論的アプローチの議論について見てきました。デカルト的発想に縛られた両者のアプローチは、本来動的であるはずの心の構造を静的なものとみなしています。 丹念に文献調査をおこなってみると、両者のアプローチはデカルト以前、古代...
42.生得論と経験論の暗黙的融合
前回の記事で、生得論者と経験論者の争点とデカルト的二元論が既存の発達理論のパラダイムにもたらしてきた影響について述べました。発達に関する両極の議論は、この一世紀以上続いています。 両極に属する近年の発達論者の議論を俯瞰してみると、どちらも厳密の意味で生得論的主張でも経験論的...