1036. 新緑の季節
目を見開かされるほどに、新緑の木々がそよ風に揺れながら輝いている。今日の午前中は曇り空が続いており、今日も先週のような晴れ間のほとんどない天気になるのかと思っていた。 ところが、正午から一気に晴れ間が広がり始めた。厳密に日数を数えていたわけではないのだが、このような晴れ間を...
546. モデルの説明的正確性
「複雑性と人間発達」というコースの初回のクラスから数日が経ち、再びクラスの内容を少しばかり振り返っていた。特に印象に残っているのは、クラスの後半の内容である。 クラスの後半では、実際にコンピューターを活用しながら、ダイナミックシステムアプローチの簡単なモデルを三つほど自分た...
474. 言葉の深層世界に飲み込まれて
本日、無事にオランダ語の初級コースを終えた。案の定、先日受けた最終試験の結果が返ってきた。英語で言う倒置構文に関して、作り方を間違って記憶しており、その箇所はもう一度見直しておく必要があるだろう。 答案の返却と同時に、このコースの修了証書を授与され、一ヶ月前の自分と比較して...
87.ダイナミックシステム理論と発達論的システム理論との共通点・相違点
これまでの記事で紹介してきたように、ダイナミックシステム理論は、発達研究に新たな視点を提供し、ある種の革命を起こしたと言えます。ダイナミックシステム理論は、生涯をかけておこなわれる発達現象において、何が変化するのかを特定するというよりも、どのように発達が進められるのかという...
57. 認知構造と活動の分離:チョムスキー派とピアジェ派の思想の限界
生得論者と多くの認知科学者はこれまで、人間の深層部分に存在する能力と実際の活動を切り離す思想特性を持っていました。こうした分離を提唱した代表的人物は、ノーム・チョムスキーです。彼が主張する普遍文法は残念ながら、実際に私たちが言語を用いてコミュニケーションをしている際に現れる...
54. 新生得主義の誕生とその限界点
発達現象の可変性が認められるにつれて、発達理論のフィールドの中に新しい思想立場が生まれました。それは、「新生得主義」と言われるものです。新生得主義も発達構造を静的なものとみなすパラダイムの傘下に置かれているのですが、既存の段階モデルに代替する理論的枠組みとして一時期注目され...
52. 領域特定型発達モデルの誕生とその限界
カート・フィッシャーのダイナミックスキル理論は、あらゆる発達領域において適用できる測定の物差しを提供したため、「領域全般型発達モデル」と呼ばれます。それに対して、ロバート・キーガン、オットー・ラスキー、スザンヌ・クック=グロイターなどの発達理論家は、ある特定の発達領域に焦点...
46. 三つの代表的な静的構造モデル
発達理論のフィールドにおいて、心の構造を静的なものとみなしてしまう思想モデルをこれまで紹介してきました。これらの理論的枠組みを細分化すると、下記の三つの静的構造モデルに分類することができます。 一つ目は、ピアジェの発達段階モデルです。ピアジェの発達段階モデルにおいて、認知構...
44. プラトン→カント→チョムスキーへと受け継がれる静的構造主義の系譜
これまでの記事で、心の発達に関する生得論的アプローチと経験論的アプローチの議論について見てきました。デカルト的発想に縛られた両者のアプローチは、本来動的であるはずの心の構造を静的なものとみなしています。 丹念に文献調査をおこなってみると、両者のアプローチはデカルト以前、古代...
18. ダイナミックスキル理論における4つの階層構造と13個の段階とは?
(The figure from Murphy, 2009) カート・フィッシャーは、1980年に現在のダイナミックスキル理論の原型である「スキル理論」を提唱しました。当時より、人間のスキルは、4つの階層構造と13個の段階を経て発達するとされています(時折、幼児期に見られる...