36. アーンスト・モエークの言語発達理論:言語発達における母親の重要性
スキル理論を用いて言語の発達を研究しているアーンスト・モエークは、言語習得における母親の重要性を強調しています。モエークは、言語発達の基盤は、幼少期における両親とのコミュニケーション、特に母親とのコミュニケーションを通じて構築されると指摘しています。...
30. スキル向上過程に起こる興味深い現象:かりそめの発達と強固なスキル獲得への道
カート・フィッシャーがこれまでにおこなった研究の中で、一つとても興味深い研究があります。それは、学習・発達支援者の介入が、学習者のミクロな発達(秒、分、時間レベルの発達)にどのような影響を及ぼすかという研究です。 以前紹介したように、私たちのスキルの発達は向上と後退を繰り返...
25. ダイナミックスキル理論における「最適レベル」と「機能レベル」とは?
これまでの記事で何度か登場した「最適レベル」と「機能レベル」について、もう少し説明を加えたいと思います。心の構造を静的なものと捉えてしまうこれまでの発達理論のパラダイムには、ある一つの根本的な誤りが存在します。それは、私たちは一つの固定的な構造レベルを持っており、それを領域...
22. 学習・発達速度の牽引力:ヴァン・ガートのダイナミックシステム理論の観点より
カート・フィッシャーが提唱したダイナミックスキル理論の根幹を成す「ダイナミックシステム理論」は、人間の心という一つの有機的なシステムのみならず、現実世界に存在する諸々のシステムについて多くの洞察を提供してくれます。 ダイナミックシステム理論を人間の発達研究に応用した人物とし...
【動画】カート・フィッシャーによるプレゼンテーション:最新の発達理論研究と教育
カート・フィッシャーが2011年におこなった興味深いプレゼンテーション動画をシェア致します。このプレゼンテーションでは、最新の発達理論研究の成果に触れながら、カリキュラム策定や発達測定に関する話題を提供しています。フィッシャーと聴衆との質疑応答も面白く、そこから学習支援や発...
19. ヴィゴツキーの最近接発達領域とフィッシャーの発達範囲の違いから得られる成人以降の発達支援の重要性とは?
カート・フィッシャーは、ヴィゴツキーが提唱した理論の一部を取り入れており、フィッシャーの論文を読んでみると、その中でもヴィゴツキーの「最近接発達領域」という言葉が頻繁に出てきます。 今回の記事は、ヴィゴツキーが提唱した最近接発達領域とフィッシャーが提唱した「発達範囲」の違い...
17. 発達測定の共通の物差し:領域特定的な測定手法と領域一般的な測定手法の違いとは?
カート・フィッシャーのダイナミックスキル理論で用いられる発達測定手法は、ローレンス・コールバーグ、スザンヌ・クック=グロイター、ロバート・キーガン、オットー・ラスキーらが提唱している領域特定的な発達測定手法と特徴が異なります。...
16. 自己組織化するスキル
イリヤ・プリゴジン(散逸構造理論)、マンフレート・アイゲン(ハイパーサイクル理論)、ハーマン・ハーケン(シナジェティクス理論)などの第二世代のシステム理論家が提唱した「自己組織化」という概念は、私たちの心の構造が生み出すスキルの発達を説明する際に大切になります。自己組織化と...
15. 発達が内包する不安定性と退行への配慮:線形的発達思想を超えて
カート・フィッシャーのダイナミックスキル理論において、発達が持つ可変的な要素や多様な発達の形(発達の網の目構造)についてこれまで紹介してきました。それらに加えて、もう一つ、ダイナミックスキル理論が強調している大切な点があります。それは、発達が内包する不安定性と退行という現象...
【動画】モンテッソーリ教育とダイナミックスキル理論
モンテッソーリ教育で採用されている、具体的なタスクを通してスキルを獲得するプロセスについて、カート・フィッシャーのダイナミックスキル理論の枠組みから解説している動画を共有致します。 モンテッソーリ・スクールでおこなわれている教育方法やスキル獲得プロセスについて理解するのに有...