

124.米国で注目を集める新しい学力アセスメント:2020年度大学入試改革を見据えて
日本に一時帰国中の現在、成人以降の発達理論と発達測定(アセスメント)に関する講演会・勉強会・コンサルティングをさせて頂く場を様々な方から提供していただき、主に企業組織の文脈に身を置いて多様な共同作業をさせていただいています。こうした成人期以降の意識の発達に対する学術探求と実...


121.ダイナミックスキル理論における「スキル」に関する誤解
先日、インテグラル・エデュケーションさん主催の勉強会で、ハーバード大学教育大学院教授カート・フィッシャーの「ダイナミックスキル理論」について紹介させていただきました。 当日の勉強会で参加者の方々から寄せられた質問や、勉強会後、参加者の方々から頂いた疑問点などを伺っていると、...


99. 発話内容分析(コーディング)と発話構造分析(スコアリング)の違いについて
Lecticaでインターンをしている際に、最初に直面した課題は、概念分析と構造分析の違いを理解することでした。発達理論の領域に足を踏み入れ、インターンを始めるまでの数年間、ロバート・キーガンやオットー・ラスキーが開発した発話構造分析型の測定手法の学習を進めてきたため、インタ...

98. 領域全般型発達測定手法:一つの物差しを用いた多様な発達現象の測定
発達測定の歴史を概観してみると、これまで様々な発達理論家が測定手法の開発をおこなっていたことに気づきます。私たち人間は、様々な発達段階を経て成長していくという考え方が提唱されて以来、発達心理学者たちは、こぞってそれらの発達段階を特定・分析するフレームワークを構築することに勤...


90. チャールズ・ダーウィンの進化論の発達過程:カート・フィッシャーのスキル理論の観点から
これまでの記事で、科学分野の電磁石に関する理解やソフトウェアのSASスキルの発達について、カート・フィッシャーの段階表記を説明しました。今回は、チャールズ・ダーウィンがどういったスキルレベルを経て、進化論を完成させたのかについて紹介したいと思います。...


88. カート・フィッシャーのスキルモデルとピアジェの段階モデル
今回の記事は、簡単にカート・フィッシャーのスキルモデルとピアジェの段階モデルを比較したいと思います。具体的には、科学分野の電磁石の理解度を題材とし、フィッシャーのスキルレベルとピアジェの段階レベルがどのように対応しているのかを説明したいと思います。...

82. モンテッソーリ教育の誕生背景と概観
今回の記事は、簡単にモンテッソーリ教育の誕生背景とその根幹思想について紹介したいと思います。モンテッソーリ教育と聞くと、日本では早期教育あるいは英才教育の一種として受け取られている印象があります。 例えば、アマゾンの創設者ジェフ・ベゾスやグーグルの創設者サーゲイ・ブリンとラ...

52. 領域特定型発達モデルの誕生とその限界
カート・フィッシャーのダイナミックスキル理論は、あらゆる発達領域において適用できる測定の物差しを提供したため、「領域全般型発達モデル」と呼ばれます。それに対して、ロバート・キーガン、オットー・ラスキー、スザンヌ・クック=グロイターなどの発達理論家は、ある特定の発達領域に焦点...


42.生得論と経験論の暗黙的融合
前回の記事で、生得論者と経験論者の争点とデカルト的二元論が既存の発達理論のパラダイムにもたらしてきた影響について述べました。発達に関する両極の議論は、この一世紀以上続いています。 両極に属する近年の発達論者の議論を俯瞰してみると、どちらも厳密の意味で生得論的主張でも経験論的...

38. ピアジェの理論の再考:ピアジェの功績と超克すべき点
発達理論を語る際に、ピアジェが残した功績を忘れることはできません。確かにルソー、カント、ヘーゲルなど、ピアジェ以前の思想家も人間の発達について言及していましたが、心の発達が持つ構造的な特性を体系的に研究したのは、ピアジェが最初であると述べても過言ではありません(ピアジェより...