305. 自己超出・自己超越
この10年間ほど、毎日昼寝を欠かしたことはないように思う。どうも昼食を食べ後の午後2時過ぎあたりに、眠気と共に集中力が減退する瞬間が訪れることに気づき、15分から20分ほどの仮眠を必ず取るようにしている。 いつもと同じようにヨガのシャバーサナの姿勢で仮眠を取っていると、ある...
283. 環境適応とシステムの発達
米国在住の最後の拠点であったロサンゼルス時代から、昨年の東京滞在期間において、 “dynamic system”や "systems theory”という単語が挿入されている専門書の中で、優れたものは大半購入したように思う。 昨日から本日にかけて目を通していたのは、...
208. 「なぜ成長・発達しないのか?」:圧倒的な鍛錬の欠落
——生きた、愛した、書いた——スタンダールの墓碑銘より 澄み渡る朝の静けさの中に小鳥のさえずりを聞いて目覚めた。起床後、すぐに窓を開け、その日の搾りたての空気とエネルギーを全身に注ぎ込む。 電車が無機質かつ暴力的な音を立てながら走り去った。静かな音楽を届けてくれている小鳥た...
200. キャリア段階ごとの職業人の自我と能力の発達
幾分気が早いのであるが、記事194で取り上げた「成人発達とキャリアディベロップメント」というクラスでの小研究テーマとして、「キャリア段階ごとの職業人の自我(identity)と能力(skill)の発達」を取り上げたい。 被験者を募るのはまだ先のことであるが、幾つかの専門職(...
167. 多様な知性領域の差異化方法:ウィルバー&ガードナー&フィッシャーの比較
記事「165.「領域全般型」の測定手法の誕生:マイケル・コモンズの階層的複雑性理論」 の続き それでは、LASを用いてどのように多様な知性領域を差異化していくかという点を見ていきましょう。ケン・ウィルバーは、多様な知性領域というものが「比較的独立して存在する」という主張をし...
165.「領域全般型」の測定手法の誕生:マイケル・コモンズの階層的複雑性理論
「記事163. ローレンス・コールバーグからカート・フィッシャーへと受け継がれる思想:多様な知性領域に存在する領域全般型の特性」では、ローレンス・コールバーグからカート・フィッシャーに受け継がれた発達思想「領域全般型の発達特性」について紹介しました。...
163. ローレンス・コールバーグからカート・フィッシャーへと受け継がれる思想:多様な知性領域に存在する領域全般型の特性
「記事162. 発達の論理(developmental logic):ボールドウィン&ピアジェ&ワーナーの観点より」では、ボールドウィン、ピアジェ、ワーナーの功績に焦点を当てながら、発達の論理について紹介しました。それら三人の発達理論の大家から時を経て、ローレンス・コールバ...
157. ダイナミック・スキル理論をもとにした発達測定手法LASとは?
世の中には知性発達理論に基づいた多様な測定手法が溢れています。例えば、スザンヌ・クック=グロイターのMAP(Mature Assessment for Professionals Profile)、ロバート・キーガンのSOI(Subject Object...
156. 認知レベルの発達とOSの進化
以前の記事「121.ダイナミックスキル理論における「スキル」に関する誤解」で、カート・フィッシャーが提唱するダイナミック・スキル理論における「スキル」とは、世間一般で言われているプレゼンテーションスキルや交渉スキルといった表面的なスキルではなく、それら表面的なスキルを発動さ...
139. 知性発達理論の影と闇、そこからの救済
新ピアジェ派の功績は、発達プロセスを説明する優れた理論的枠組みを提唱しただけではなく、多様な発達プロセスに内包された複雑性を解析する測定手法を開発したことにあります。実際に、新ピアジェ派が提唱する発達科学は、既存の心理統計手法の領域を再構築し、測定手法の革新をもたらしたと言...