14. 文脈特定的かつ文化的に規定されているスキル
ダイナミックスキル理論で想定されているスキルについて、その大きな特徴をこれまでの記事で説明してきました。一言でその特徴を述べるならば、私たちが発揮するスキルというのは非常に動的なものであるということです。今回の記事では、心の構造が生み出すスキルが持つ他の重要な側面について解...
13. 動的スキルの必須条件:統合と相互関与について
先日の記事で、ダイナミックスキル理論の核となる概念「動的スキル」について簡単に説明しました。今回は、補足事項として、動的スキルが持つ二つの重要な条件「統合」と「相互関与」について説明したいと思います。 私たちが特定の文脈で発揮するスキルは、物質が原子や分子によって決まりきっ...
12. カート・フィッシャーのダイナミックスキル理論の核となる「動的スキル」とは?
心の動的な構造を対象とするダイナミックスキル理論では、「動的なスキル」という概念をまず理解する必要があります。スキルと言うと何か特定の技術のようなものをイメージしてしまうかもしれませんが、ダイナミックスキル理論で定義されている動的なスキルとは、心の構造そのものです。...
11. カート・フィッシャーのダイナミックスキル理論に関するこれまでの記事のまとめ
以前の記事で、心の発達が内包する可変性と不可変性を説明するために、心の構造を静的なものとみなすパラダイムに代わる理論的枠組みが必要であると述べました。今回は、これまでの記事をまとめ、ダイナミックスキル理論の具体的な説明に入る準備をしたいと思います。...
10. カート・フィッシャーが発達理論の領域に提唱した新たなメタファー「発達の網の目構造」とは?
しばしば、多くの発達理論において、人間の心が階段状に発達していくというモデルを見かけます。発達理論を取り入れているケン・ウィルバーのインテグラル理論においても、はしごを登るかのように発達が進んでいくという印象を与えがちな「ラインの発達(様々な発達領域の発達)」という概念が提...
5. カート・フィッシャーのダイナミックスキル理論が持つ発達に対する根幹思想
前回の記事で述べたように、これから少しずつカート・フィッシャーのダイナミックスキル理論を紹介していきたいと思います。まずフィッシャーの思想とダイナミックスキル理論の簡単な輪郭を浮き彫りにしたいと思います。 フィッシャーの発達思想の根幹を成すものは「人間の活動は組織的かつ変動...
4. カート・フィッシャーの発達理論「ダイナミックスキル理論」が誕生するまで
ハーバード大学教育大学院のカート・フィッシャーは、ロバート・キーガンと並んで、現存する発達心理学者の中でも最も著名であり、70歳を迎えた今もなお研究活動に情熱を注ぎ、学術論文も旺盛に執筆されています。 昨年の秋にハーバードを訪れた際にカート・フィッシャーと面会する機会があり...