1245. 部分と全体の入れ子構造としての「レベル」
早朝の天気とは打って変わり、午後から快晴が広がり始めた。昼食を摂り終えた私は、論文を一本読み、いつもと同じように20分の仮眠を取った。 昨日と同様に、それは深い休息をもたらすような仮眠であった。そのわずかな時間において、私は夢を見ない深い眠りの世界に沈んでいき、そこで限りな...
1235. 能力の統合化と差異化について:ダイナミックシステム理論の観点より
日本の梅雨と共鳴現象を起こしているのだろうか。フローニンゲンもこの一週間は天候が冴えない。 こちらの雨はずっと降り続けるようなものではなく、降ったり止んだりが続くような断続的な性質を持っている。また、体感としてじめじめした感じはなく、むしろ朝夕は依然として寒いぐらいである。...
1229. 雨の降る日に思うこと
大きなハトが書斎の窓に接近し、一気に急上昇する形でさらに上空に飛び去っていった。外は相変わらず雨模様だが、そこにはどことなく風情がある。 ちょうどこの時期は、日本は梅雨に入っているだろう。そして、もうしばらくすれば、そうした梅雨の時期が終わり、日本独特の夏がやってくる。...
1221. 日本で根強いピアジェの発達段階理論に関する誤解
先日、知人の方から、日本の教育学者の方たちが、ピアジェの発達段階理論を極端に否定する傾向にあることを聞いた。実際にいくつかの議論を教えていただいたところ、その議論の進め方は、非常に乱暴であったことにひどく驚いた。 ピアジェが発達段階理論を提唱して以降、ピアジェの理論に対...
1216. 偉大な社会学者から
昨日の午前中は、あれこれと論文や書籍を読み、午後からは、二時間ほど書籍に関する対談をさせていただいた。普段と異なるのは、この対談だけであり、その他は常時読むことと書くことで構成されているような一日だった。 しかし、今朝の起床時に、いつもより一時間ほど多くの睡眠が必要だという...
1203. 夏季休暇の三日目より
夏期休暇に入り、二日目が経った。確かに、大学関連でこなすべきことがほとんどなくなったという点においては、夏季休暇の様相を呈している。 しかし、この二日間において、自分のなすべきことに対する姿勢については何の変化もない。一昨日は、南オランダのライデンという街に観光に出かけたが...
1194.『成人発達理論による能力の成長』:能力という生態系の危機
本日の夕方から、二ヶ月半ほどの夏期休暇に入った。最終試験終了後、自宅に戻ってから早速、この休暇を利用して読もうと思っていた論文群に手をつけ始めた。 今から数日間ほどは、まずMOOCに関する論文、インナ・セメツキーの教育哲学に関する論文、ダイナミックシステム理論に関する論文を...
1148. ヘラクレイトスと自己との闘争
ふと、今年の三月初旬にザルツブルグで行われた学会の初日の夕食会を思い出していた。特に、その夕食会での数人の研究者との会話を思い出していた。 私のディナーテーブルには、アメリカ人、ギリシャ人、スペイン人、ポルトガル人、デンマーク人の研究者が座っていた。この学会は複雑性科学に関...
1114. 発達段階の存在に関する議論
午前中に読んでいた、デイヴィッド・ウィザリントンの論文の内容を忘れないうちに書き留めておきたい。ダイナミックシステム理論を発達研究に適用しようとする研究者であれば誰でも知っているのが、エスター・セレン、マーク・レヴィス、アラン・フォーゲル、ポール・ヴァン・ギアートの四名だろ...
1113. 冷蔵庫とデイヴィッド・ウィザリントンの論文より
ここ数日の夏のような気温の高まりのせいだろうか、今日冷蔵庫を開けたら、冷凍庫の氷が溶けて水滴を垂らしていた。 ここでふと、そもそも冷蔵庫は完全な閉鎖系システムであり、冷蔵庫の温度調節機能によって、中の温度が常に一定に保たれていると思っていた自分に気づいた。そこからさらに、冷...