

280. 現代社会で蔓延する新たな「肥満」
文筆家でもない限り、多くの人にとって「文章を書く」という行為は、なかなか厄介なものではないかと思う。自分の考えや思いを文章の形で表現する場合、なかなか筆が進まないということはよくあると思う。 なぜ「書く」という作業は厄介なのだろうか。それは、書くという行為が「考える」という...


278. 一年目の修士論文概略
研究者としての留学が本格的に始動するまで、後3週間ほどある。現地入りを早くした理由は、プログラムが開始すると同時に、自分のリズムで研究活動を行うための身体的・精神的な準備期間が必要だと思ったからだ。 フローニンゲン大学での一年目の修士課程では、ダイナミックシステム理論を活用...


271. 初日からのハプニングの嵐:その1(機内編)
フローニンゲンでの三日目の朝を迎えた。怒涛の嵐が過ぎ去り、嵐の後の静けさに浸っている感覚だ。というのも、日本を出発してからの空の旅を皮切りに、そこからフローニンゲンの新居に着くまでが本当にハプニングの連続だったのだ・・・。...


265.「ダッタン人の踊り」と知性が育まれる場
そこでしか育まれえぬものがある。その環境でしか獲得されえぬものがある。最近、そのようなことを強く思う。 昨日、近所の神社を訪れた時に、夏の暑い気温からは信じられないほどの涼しい風が境内を吹き抜け、私はそれを全身で受け止めた。思わず立ち止まらずにはいられなくなり、その場にたた...


262. 創発と相転移
昨晩ふと、自分は毎日同じリズムで同じようなことをし続けていながらも、毎日新しいことに取り組んでいるという感覚が芽生えていることに気づいた。ありきたりの表現になってしまうが、つまり、毎日が常に新しいものとして自分に訪れ、毎日の取り組みの中に新しさが必ず混入しているのだ。...


251.「構造的カップリング」と「相互浸透」
オランダへの出発がいよいよ一週間を切った。オランダ到着後に必要な各種手続き(例:住民登録や銀行開設など)の流れを確認している。 4年前にジョン・エフ・ケネディ大学でシステム理論に関するクラスを履修して以降、数年間はその分野から離れていたが、再びシステム理論の探究に着手してい...


249.「自己組織化」と「自己創出」
言葉の使用に関してもう少し厳密な態度を取る必要性を強く感じている。借り物の言葉ではなく、自分の内側を真に通過した言葉だけを使用するように心がけたい。自分の内部でろ過されていない言葉を用いることは自己欺瞞を招きやすいし、何より伝えたい人に自分の言葉が届かないという事態を引き起...

245. 創発特性
昨日、地表で温められた大気が上昇気流となり、積乱雲が発生していた。どうやら地表と上空にはかなりの温度差があったようだ。発生した積乱雲の影響からか、本日の東京は少しばかり雨が降り注いでいる。 地表と上空の温度差によって生み出される積乱雲を眺めながら、形而下の世界と形而上の世界...


240. ダイナミックシステム理論と多様な応用領域
抑えがたく高鳴る胸の鼓動を感じながら、深海の真っ暗闇に差し込む光を仰ぎ見ている心境である。こうした心境になっている自分を見るにつけ、渡欧の日が着実に迫ってきているのを実感する。 9月からのフローニンゲン大学では、複雑性科学と発達科学の双方をありとあらゆるエネルギーを注ぎ込ん...


206. 発達科学と複雑性科学を架橋した功績者ポール・ヴァン・ギアートについて
私がフローニンゲン大学に留学することを決定付けた人物、それがポール・ヴァン・ギアートである。ヴァン・ギアートがいなければ、発達科学と複雑性科学の接点に出会うこともなかっただろうし、自分の研究や実践に複雑性科学のアプローチを採用しようと思わなかっただろう。...