
430. 物質的かつプロセス的な知識
秋の安定期に入ったかのようなフローニンゲンの日曜日の朝。窓の外で未だ青さを保つ木々が緩やかな風に揺れている。今日の空は朝から薄い雲に覆われている。あいにく今日は午後から雨が少し降るらしい。 今日は、まさに書斎にこもって仕事を進めるにふさわしい日になるだろう。今朝は連続した二...


425. 言葉の召喚作用と知識の体系化
ここ最近の私は、言葉が持つ召喚作用、すなわち何かを喚起するような力に沿って自己や対象を描写するようになっているように思う。内側や外側の現象を何か捉えたと思ったら、それを言葉にしてみる。すると興味深いことに、言葉の喚起作用によって当初予定していなかったものまで立ち現われ、それ...


420. 今後のオランダ語の学習について
早朝、オランダ語のクラスへ向かう途中、いつもとは違う道を通っていこうと思い立った。工事が佳境を迎えたクラネヴェ通りではなく、何気なく一つの横の道を通って行くことにした。振り返ってみても、自分がどうしてそのような意思決定をしたのかわからない。...


414. 知識を活用する実践力
今週末は休日の二日間ともに曇り空である。気温もめっきり寒くなり、家の中でも長袖や靴下を身につけるようになった。欧米の寒い地域の家には、窓の壁際にヒーターがよく備え付けられている。現在のフローニンゲンの私の自宅にも、リビングと寝室、そしてトイレにヒーターが備え付けられている。...


404. 繰り返しと準備
今朝からいよいよ通学時の気温が10度を下回った。まだ10月に入っていないにもかかわらず、早朝の気温がここまで下がり始めたのかと驚いた。確かに辺りを見渡すと、もはや半袖で生活をしている人はほとんど見かけない。しかし、それでも私は10月までは半袖で乗り切ろうと思い、今日のオラン...


398. 終点からの展開
週末の今日という日を終えようとしている今、私は朝からこの瞬間に向かって生きていたわけではないことを直感的に知った。この瞬間がすでに今朝に存在しており、この瞬間が後ろに引き伸ばされていく形で今日という私の一日があったことを知る。...


394. 「変化」に関与する全ての職業人に求められる自覚
仕事の手をはたと止め、窓越しに夕暮れの空を眺めた。太陽が暮れゆく方角に一筋の飛行機雲を見つけた。その飛行機雲の先頭は白く、飛行機の進む度合いに合わせて白味が増していく。一方、その飛行機雲の後尾は飛行機の進行に応じてますます白味が失われていく。...


379. エゴン・ブランスウィックの「心理学的生態学」に関する所感
ようやくフローニンゲンの街の天候パターンを掴み始めたと言えそうである。この街に到着した当初は、天気予報では降水確率が低いにも関わらず、雨に見舞われることが多々あったため、つくづく天気というのは予測の難しいダイナミックシステムだと頭を悩ませていた。...


378. 注目を集める教育手法「非線形教授法(nonlinear pedagogy)」について
ここ最近は、スポーツ科学の研究成果から人間の知性や能力の発達について考えさせられることが多い。実際に、スポーツ科学の学術論文を読んでみると、そこには非常に面白い研究手法や研究結果、そして能力開発に関する有益な知見が数多く存在することに気づく。...


377.「才能」に関する近年の視点
「タレントディベロップメントと創造性の発達」のコースが行われるレクチャールームに到着すると、すでに教師のルートと20人ぐらいの学生がそこにいた。ルートと簡単に挨拶を済ませ、自分の席を確保した。事前にルートから話を伺ったところ、このクラスは履修定員の70名を超え、80名近くの...