649. 内側の炎の強まり
この日は、「複雑性と人間発達」というコースの最後のクラスに参加した。教室に到着してすぐに、このクラスの様々な受講者と挨拶を交わした。 話題は極めて単純であり、お互いがどのように冬休みを過ごしたか、というものである。このクラスをいつも私は、博士課程に在籍するドイツ人のヤニック...
648. 非線形ダイナミクスの興味深い研究手法
いよいよ今日から2017年の学期が始まった。今日はフローニンゲンに戻ってきて初めてのクラスがあった。具体的には、「複雑性と人間発達」というコースの第六回目のクラスである。 早いもので、全七回のクラスのうち、今日のクラスを除けば残すところあと一回のクラスとなる。自宅を出発し、...
644. 新たな食生活と初期値問題
昨日は、フローニンゲンの街の中心部にある行きつけのチーズ屋に足を運んだ。このチーズ屋にはいつもお世話になっている。チーズ屋でチーズを購入するのではなく、いつもナッツ類をここで購入している。 いつもこのチーズ屋を切り盛りしている二人の店員は、とても親しみやすい。今日も簡単に言...
643. 緩やかに進行する仕事
早朝の五時前後に起床すると、午前中の間にかなり多くの仕事をこなすことができる。午前中はまず最初に、アムステルダム大学教授ピーター・モレナーの論文 “A manifesto on psychology as idiographic science: Bringing the...
638. ロシア上空での出会い
ヘルシンキ行きの便に関する搭乗案内がラウンジ内に鳴り渡る。この搭乗案内は、搭乗開始を告げるものではなく、最終案内であることを知り、少しばかり急ぎ足で搭乗ゲートに向かった。 五時間を超えるフライトでは、スペースにゆとりのある搭乗クラスにしか乗らないようになってからしばらく経つ...
611. 何気ない日常より
一昨日、哲学科に在籍しているキューバ人のシーサーとカフェで談話をした。シーサーは、もともとキューバの大学で哲学を教えていたこともあり、哲学全般に関する造詣が深い。 一昨日は、彼の専門である認識論を中心に、終始こちらから質問を投げかけていた。フローニンゲン大学には、哲学に関す...
610.知的抱腹絶倒を常に感じて
今日は、「複雑性と人間発達」というコースの第四回目のクラスに参加した。本日のクラスを担当したのは、ダイナミックシステムアプローチに造詣の深い物理学者のラルフ・コックス教授である。 私の論文アドバイザーを務めるサスキア・クネン教授とコックス教授が交代で担当するこのコースに対し...
605. 専門領域の「密教化」に抗って
今日は、絶えず霧に包まれた一日であった。確かに、雲ひとつない晴天の一日も好きなのだが、このように鬱蒼とした霧がかかっている一日も、それはそれで趣きがある。 午前中と午後に二つの論文を読み、それらがとても洞察に溢れる内容だったので、打たれる感情を噛みしめるのに少し時間がかかっ...
602. 無秩序の中の規則性
ここで綴られている日々の日記というのは、基本的に、私を取り巻くとりとめもないことを書き記したものであるため、何らテーマのようなものが見出せないことに気づくことがある。 先ほどは、あるテーマに沿って筆を走らせようと思っていたのだが、文章の一行目が誕生した瞬間に、そのテーマが忘...
598. 新・新ピアジェ派としての私
今日は早朝から、現在進行中のオンラインゼミナールの最終回の講義資料を作成していた。最終回は、知性発達科学の歴史的変遷を辿りながら、知性や能力の発達に関する近年の思想や理論などを取り上げる予定である。 厳密に知性発達科学の源流にまで遡るのであれば、仏教の意識の発達思想やヨガの...