1139. 多忙な六月の先
ここ数日間、少しばかり日記を書く分量が落ち着いていた。文章を書くことに対して強迫的になるのではなく、それでいて怠惰になるわけでもなく、適度な分量の日記を淡々と記していたように思う。 今日は先ほど、論文アドバイザーのサスキア・クネン教授と今年度の最後のミーティングを行った。思...
1135.「認知的資本主義」の進展に伴うMOOCが抱える問題
この五年間、私はオンラインで成人発達理論に関するゼミナールを細々と提供してきた。また、日本国外に長らく居住地があるという都合上、企業組織に対してトレーニングを提供する際にも、オンラインを用いることが多かった。 日本と接点を持つための手段として、オンラインを活用することは避け...
1104. 新たな知的植民地政策の脅威:MOOC
春をひとっ飛びにし、夏がやってきたかのような土曜日だった。早朝から雲ひとつない青空が広がり、五時半に起床した時にはすでに辺りが明るかった。 午前中から、夏を彷彿させるような日差しが辺りに降り注ぎ、しかしそれでいて涼しい風が流れていた。そのような土曜日の朝、私はカントの...
1092. 二ヶ月半の休暇に向けて
夕食を終え、一息ついたところで再び仕事に取りかかった。具体的には、「成人発達とキャリアディベロップメント」のコースで課せられている論文を執筆し始めた。 この論文を執筆するにあたり、私は昨日、論文アドバイザーのサスキア・クネン教授にインタビューを行っていた。先生に何をインタビ...
1088. ダイナミックシステムアプローチの真髄の会得へ向けて
今日は午前中に、「成人発達とキャリアディベロップメント」のクラスに参加した。今日のクラスで取り上げる論文の発表を私が担当するという連絡を、担当教授から事前に受けていたため、自宅を出発する前に少しばかり自分のレジュメを読み返していた。...
1054. 学会と権威との向き合い方
先日、論文アドバイザーのサスキア・クネン先生の研究室でミーティングをしている最中、何かのきっかけで、来年の五月末にアムステルダムで開催される「ジャン・ピアジェ学会」の話になった。 私はこの学会の存在を知らなかったため、とても強い関心を持って先生の話に耳を傾けていた。なにやら...
1026. SSGに関するワークショップを振り返って
再び日々の生活が落ち着いたものになりそうだ。数日前に開催されたワークショップについて少しばかり振り返っていた。 このワークショップは、私が現在の研究に適用している「状態空間グリッド(SSG)」という手法に関するものだ。この手法を開発したのは、マーク・レヴィスという発達心理学...
1025. 複雑性科学と教育科学の架橋へ向けて
今日は一つ嬉しい知らせがあった。無事に「実証的教育学」のプログラムに入学が許可され、今年の九月からは教育科学学科に在籍しながら研究を続けることができる。 これでオランダにさらに二年間ほど滞在できることが確定した。実際には、このプログラムは一年間のものなのだが、その後に一年間...
1024. 二年目の「実証的教育学」のプログラムでの研究内容について
昨夜の夢を思い出しながら、日々の生活の中で振り返りの時間を設けることは極めて重要だと痛感している。それも頭の中で振り返りを行うのではなく、必ず文章の形で振り返ることが何よりも大切だと強く実感している。 私は基本的に、少なくとも朝と夕方のそれぞれに一時間か一時間半ほどの時間を...
1018. 哲学・数学・心理学・音楽
「逆説的な事柄は、哲学にとっての原動力である」というドゥルーズの言葉が印象に残っている。これは、哲学という思想体系を構築するという営みだけではなく、人間の発達においても等しく当てはまることだと思う。 逆説的な事柄は、発達の原動力であることは間違いない。それは単純に、弁証法的...