198. アメリカの国家諜報機関で重宝されていた発達測定手法の質
記事195に関連して、若干細かな論点であるが、LASという発達測定システムを心理統計の観点から評価すると、どのようなことが言えるのかを簡単に紹介したい。結論から言うと、セオ・ドーソンやザッカリー・スタインによる長年の実証研究が示しているように、LASは測定者間の信頼性やアセ...
194. フローニンゲン大学での修錬:一年目のプログラム内容(その3)
記事193に引き続き、フローニンゲン大学での一年目のプログラムで履修する6つの科目の内、残り2つのクラス内容について簡単に紹介したい。 5-1. 成人発達とキャリアディベロップメント 成人以降の発達を専門とし、企業組織と協同させていただく機会が多いという都合上、キャリアの発...
157. ダイナミック・スキル理論をもとにした発達測定手法LASとは?
世の中には知性発達理論に基づいた多様な測定手法が溢れています。例えば、スザンヌ・クック=グロイターのMAP(Mature Assessment for Professionals Profile)、ロバート・キーガンのSOI(Subject Object...
150. 「真実構築活動」と「意味構築活動」を架橋する能力
私が直接的に師事をしていた発達心理学者のオットー・ラスキーの言葉が最近妙に思い出されます。ここ2年間は、セオ・ドーソンやカート・フィッシャーの理論モデルや測定手法に習熟するための期間であり、ラスキーの理論や測定手法から少し距離を置いていました。...
139. 知性発達理論の影と闇、そこからの救済
新ピアジェ派の功績は、発達プロセスを説明する優れた理論的枠組みを提唱しただけではなく、多様な発達プロセスに内包された複雑性を解析する測定手法を開発したことにあります。実際に、新ピアジェ派が提唱する発達科学は、既存の心理統計手法の領域を再構築し、測定手法の革新をもたらしたと言...
138. 「統合心理学」としてのダイナミック・スキル理論
これまで紹介してきたように、新ピアジェ派の伝統はジェームズ・マーク・ボールドウィンから、ジャン・ピアジェ、ローレンス・コールバーグ、カート・フィッシャー、セオ・ドーソンに脈々と受け継がれてきました。この伝統は、人間の認知とは何か、それはどのように発達するのかを解明しようとす...
137. 性格類型テストや360度評価の限界と新たな測定手法
ハーバード大学教育大学院教授カート・フィッシャーが提唱したダイナミック・スキル理論は、近年、教育現場や企業組織において広く活用され始めています。 カート・フィッシャーの共同研究者であったセオ・ドーソンとフィッシャーの弟子たちによって設立された、米国のレクティカという組織は、...
135. 映画「バケモノの子」を鑑賞して:発達理論の観点より
「偉大な芸術は、あなたを、あなたの意志に反して、つかむ。そして、あなたの意志なるものを宙づりにする。あなたは、欲望、渇望、自我、自己収縮などから解放された、静かな深い森の中に開かれた小さなオープン・スペースに招き入れられる。この意識の中の静かなオープン・スペースを通して、高...
126.深層能力涵養に有益なフィードバックと害悪なフィードバック
認知的発達心理学の枠組みに基づいた発達測定をした後に、どういったフィードバックを行うかということがその人の発達や学習を支援するためには重要であると言われています。確かにアセスメントを受けただけでは全く意味がないので、この指摘は正しいと言えば正しいのですが、現実はそれほど簡単...
112. 新ピアジェ派が継承する五つの発達思想
新ピアジェ派はこの25年間にわたって、古典的なピアジェ理論の本質的な側面を保持すること、さらに探求が必要な箇所を発展させること、最新の実証研究に基づいてピアジェ理論の改定をおこなうことに力を注いできました。 以前私のメンターであったセオ・ドーソンから聞いた話なのですが、カー...