307. 言語能力を変容させる論文執筆
研究者としての留学が本格的に始まるまで、いよいよ二週間を切った。時間的に余裕があるため、学位取得論文に関して今のうちから準備を進めていきたいと思う。修士論文を執筆するのは、米国ジョン・エフ・ケネディ大学時代を含めて二回目となるが、今回の修士論文は研究者としての今後の自分を左...
306. 対人支援産業について思うこと
「洋平、それは自分よりもサスキアの方が詳しいから彼女に質問してみることをお勧めするよ」ということを、私がフローニンゲン大学で在籍するプログラムの責任者であるルート・ハータイに言われたことがある。 ルートの対応はいつも実に誠実かつ紳士的であり、彼は私のメンターでありながらも、...
302. 開かれたドアに向かって
フローニンゲンの新居に住み始めた頃、部屋のドア以外に、建物の中にそもそも入るためのドアがあり、そこのドアの閉め方がいまいちよくわからなかった。鍵穴に鍵を通して見ても、うまく閉まらないのだ。 このドアを閉めるために鍵が不要だと気付くのに三日かかった。どうやら鍵を差し込んでこの...
296. 叡智からの排斥
「学術的な叡智から自分は閉め出されている」ということを感じ始めたのは、ジョン・エフ・ケネディ大学での修士課程が終わり、ニューヨークで働き始めた時だった。当時の私はニューヨークに住みながら、隣接するマサチューセッツ州のレクティカでの仕事に従事していたのだ。...
288. 卓越性の起源
関与と恩寵。それは世界からの多様な関与と恩寵の賜物なのだ。 今日の午前中は、ここ三日間読み続けている「タレントディベロップメントと創造性」というクラスで課題文献とされている “The complexity of greatness: Beyond talent or...
270. オランダでの生活に向けて
出発6日前の2016/7/26の日記 未だ形にならない思念の塊を文章として表現することによって、なるべく心を落ち着かせようとする自分がいる。日々の生活の中で湧き上がる雑多な考えや思いを言葉にすると、混沌さに心身を乗っ取られるのではなく、均衡を心身にもたらすことができると感じ...
256. 書物
——偉大な書物は我々を超えたところへ、我々を呼ぶ。我々を超えたところへ、我々を連れていく——ケン・ウィルバー フローニンゲンの街での生活拠点が最終的に決定し、引越しの準備を着々とすすめている。引越しの準備とは言っても、私の場合は蔵書の選別だけをすればほぼ準備が完了したことに...
251.「構造的カップリング」と「相互浸透」
オランダへの出発がいよいよ一週間を切った。オランダ到着後に必要な各種手続き(例:住民登録や銀行開設など)の流れを確認している。 4年前にジョン・エフ・ケネディ大学でシステム理論に関するクラスを履修して以降、数年間はその分野から離れていたが、再びシステム理論の探究に着手してい...
236. 知識と言語の照明作用
知識があることによって初めて見えてくることがある。逆に知識があることによって、その知識に沿った形でしか物事が見えなくなってしまうことがある。 確かに知識は私たちの認識を制限するという働きを持つが、制限をかけることによって初めて何かが開示されるという知識の「照明作用」を私はよ...
215. 発達段階ごとの支援手法について
現在、日々の様々な仕事と並行して、昨年から今年の5月にかけて提供させていただいていた「オンライン発達理論ゼミナール」の受講生とのやり取りを振り返っている。Adobe Connectを活用したオンラインクラスのみならず、フェイスブック上で特別のグループを形成し、そこで受講生と...