1484. 調和をもたらす作曲実践と作曲の方向性
昨日の作曲実践は大変実りあるものであり、随分と多くの気づきを得た。今朝の調子が良かったのは、作曲実践が日々の自分の生活の中にうまく溶け込み始めたからではないかと思った。 つまり、一日の中で学術研究と作曲実践を交互に行っていくと、自分の内面世界に調和がもたらされるようなのだ。...
1337. メタ理論や日本的発達理論に関する雑感
午前中、発達心理学の開拓に多大な貢献を果たしたジェームズ・マーク・ボールドウィンと記号論を提唱したチャールズ・サンダース・パースの思想に関する論文を読んでいた。両者の思想から得るものはいつも多く、二人が書き残した全集は私にとって非常に貴重な文献である。...
866. アイデンティティの発達と創発について
昨日は、夕方から「複雑性とタレントディベロップメント」というコースの最後のクラスに参加した。前回のクラスに引き続き、今日もゲストスピーカーが講義を担当した。 今日の講義を担当したのは、私の論文アドバイザーであるサスキア・クネン教授だった。クネン先生は本来、アイデンティティの...
598. 新・新ピアジェ派としての私
今日は早朝から、現在進行中のオンラインゼミナールの最終回の講義資料を作成していた。最終回は、知性発達科学の歴史的変遷を辿りながら、知性や能力の発達に関する近年の思想や理論などを取り上げる予定である。 厳密に知性発達科学の源流にまで遡るのであれば、仏教の意識の発達思想やヨガの...
566. 後継者として
発達科学者のカート・フィッシャーが残した功績について、まだ書き足りないことがあったようであり、フィッシャーが発達科学に与えた貢献についてしばらく考え続けていた。特に、優れた理論が持つ応用力について考えを巡らせていた。 ここで述べている理論モデルの応用力というのは、実務の世界...
396. 自己探求と社会実践について
今日から少しずつ、発達科学の歴史と複雑性科学の歴史を結びつけるような作業に取り掛かっている。より具体的には、作業範囲を少し狭めて、構造的発達心理学の文脈の中にシステム理論の進展過程を捉えるということを行っている。 この作業を開始しようと思った直接的な理由は、もちろんながら現...
275. 「リフォーム完了」と「環境適応」
(写真:リフォーム前の書斎。ほとんどの方はリフォーム前の方が小綺麗だと思われるであろうから、リフォーム後の写真は割愛) フローニンゲンでの生活の三日目が始まった。嵐のような二日間が過ぎ、ようやく平凡な日常に戻る。これが台風の目でないことを祈るばかりだ。...
218. 成長・発達に不可欠な権威的存在
先日、クライアントとのセッションの中で、一つ興味深い論点が浮上した。「父性」あるいは「力強さ」と呼ばれるものの大切さについて話題となった。 拙書『なぜ部下とうまくいかないのか:「自他変革」の発達心理学』を読んで誤解を与えてしまっていたのであれば申し訳ないのであるが、段階5を...
166.記事157から165までのまとめ:測定手法と理論モデルの差異
それでは、ここで一旦これまでの記事「157-165(164を除く)」をまとめたいと思います。これまでのところ、「発達の高度」という概念を明瞭にするために、構造的発達理論の歴史において鍵を握る幾つかの概念を見てきました。 ケン・ウィルバーが提唱しているように、多種多様な知性領...
163. ローレンス・コールバーグからカート・フィッシャーへと受け継がれる思想:多様な知性領域に存在する領域全般型の特性
「記事162. 発達の論理(developmental logic):ボールドウィン&ピアジェ&ワーナーの観点より」では、ボールドウィン、ピアジェ、ワーナーの功績に焦点を当てながら、発達の論理について紹介しました。それら三人の発達理論の大家から時を経て、ローレンス・コールバ...