505. 知識体系と外国語
フローニンゲンの街は、すっかり冬らしくなった。夕方、書斎の窓から景色を眺めると、ほのかな光を放っている夕日が目に飛び込んできた。極めて淡いオレンジ色の光を放っている夕日を眺めていると、社会学者のタルコット・パーソンズが知識をスポットライトに見立てた比喩を提示していたことを思...
396. 自己探求と社会実践について
今日から少しずつ、発達科学の歴史と複雑性科学の歴史を結びつけるような作業に取り掛かっている。より具体的には、作業範囲を少し狭めて、構造的発達心理学の文脈の中にシステム理論の進展過程を捉えるということを行っている。 この作業を開始しようと思った直接的な理由は、もちろんながら現...
360. オートポイエーシスとアロポイエーシス
ルートヴィヒ・フォン・ベルタランフィの主著 “General system theory (1968)”を読み終え、次にジョン・ミンガーの “Systems thinking, critical realism and philosophy...
354. 社会で奨励される諸々の活動とアイデンティティの喪失
一昨日、ふとした偶然によって、この五年ほど折を見て考え続けていた問題がようやく解決した。この問題は多くの人から見ると実にくだらないものだと思われるだろうが、私はやたらとこの問題に時折取り憑かれていたのだ。 文字で書き残すことに躊躇するほどくだらないと見なされるであろう問題で...
352. 未分化から生じる退行現象
オーストリアの生物学者ルートヴィヒ・フォン・ベルタランフィ(1901-1972)の主著 “General system theory: Foundations, development, applications (1968)”を一通り読み通すのに数日要した。本書は今後も折...
294. 組織のイノベーションについて:創造性理論とシステム理論の観点より
この日は午前中にジル・ドゥルーズの “Difference and repetition”を読み、午後からミハイ・チクセントミハイ(1934-)の “The systems model of creativity: The collected works of Mihaly...
251.「構造的カップリング」と「相互浸透」
オランダへの出発がいよいよ一週間を切った。オランダ到着後に必要な各種手続き(例:住民登録や銀行開設など)の流れを確認している。 4年前にジョン・エフ・ケネディ大学でシステム理論に関するクラスを履修して以降、数年間はその分野から離れていたが、再びシステム理論の探究に着手してい...
16. 自己組織化するスキル
イリヤ・プリゴジン(散逸構造理論)、マンフレート・アイゲン(ハイパーサイクル理論)、ハーマン・ハーケン(シナジェティクス理論)などの第二世代のシステム理論家が提唱した「自己組織化」という概念は、私たちの心の構造が生み出すスキルの発達を説明する際に大切になります。自己組織化と...
映画「Mind Walk」より:リアリティの中で常に生起している神秘的な相互依存関係
みなさんは、一つの呼吸を味わう時、自然と触れ合っている時、日々の仕事に従事している時、子供と触れ合っている時等々、日々の一つ一つの活動の中で、生命およびシステムが持つ神秘的ですらある相互依存的な関係にどれだけ気づいているでしょうか? 映画「MInd...
9. リビングシステムに見られる動的な構造とは?
カート・フィッシャーのダイナミックスキル理論を理解するためには、ダイナミックスキル理論の基になっているシステム理論について理解を深める必要があります。今回は、リビングシステムに見られる動的な構造について紹介したいと思います。...