604. スキャフォールディングに囲まれて
フローニンゲンの本日は、朝からしとしとと雨が降り注いでいる。午前中に取り掛かっていたのは、第二弾の書籍の構成案を練り直すことだった。 偶然ながら、昨日の日記の中で「スキャフォールディング」について取り上げていたように、まとまった量の文章を執筆する際には、構成を事前に練ってお...
598. 新・新ピアジェ派としての私
今日は早朝から、現在進行中のオンラインゼミナールの最終回の講義資料を作成していた。最終回は、知性発達科学の歴史的変遷を辿りながら、知性や能力の発達に関する近年の思想や理論などを取り上げる予定である。 厳密に知性発達科学の源流にまで遡るのであれば、仏教の意識の発達思想やヨガの...
596. 真冬の成層圏
今日は、昼食前にノーダープラントソン公園へランニングに行ってきた。先日書き留めておいた自分の日記に触発され、身体意識を整えるために、そしてそれを鍛錬するために、日頃の運動をより大切にしたいと思う。 自分の足で走ることによって、地に足をしっかりと着ける形で日々の生活を送れるよ...
594. 身体性を喪失した者たちの成れの果て
昼食前のランニングまでの時間、「複雑性と人間発達」の第四回目のクラスに向けて、少しばかり予習をしていた。第四回目のクラスを担当するのは、サスキア・クネン教授ではなく、物理学者のラルフ・コックス教授である。 クネン教授は発達心理学者であるため、彼女のクラスは心理学の色が濃いい...
593. ホロン階層を持つ発達課題
昨日ふと、ここ最近の自分の文章を眺めてみると、起床した時の感覚や情景描写などから言葉を紡ぎ出していることが多いことに気づいた。文章にするテーマが決まっている時でさせ、突然にそのテーマから言葉を紡ぎ出していくのではなく、その文章を今まさに書こうとしている自分を取り巻く感覚や情...
592. 二つのコーディングマニュアルの作成
ここ最近は、他の仕事を優先的に取り上げていたため、自分の研究から少し手を離していた。ここまでの進捗は、とても順調なものであり、毎回のクネン先生とのミーティングのおかげで、確実に研究を前に進めることができている。 今日のミーティングでは、教師と学習者間の行動分類を行うための、...
591. シンタクラース祭
フローニンゲンの街が白銀世界になりつつある。今朝の起床後、書斎の窓から見える風景の中に白色が強まっているのを実感した。今日は、最高気温ですらマイナスを記録している。 このような寒さの中、午前中に論文アドバイザーのサスキア・クネン先生の研究室を訪問した。先生の研究室に向かうま...
589. ダイナミックシステムアプローチとR
以前言及したように、私の書斎には常に何かしらの音楽が流れている。これまでは、ピアノ曲を中心に聴きながら仕事をすることが多かった。一昨日、偶然ながら、作曲家の久石譲氏の映画音楽を聴く機会があり、とても感銘を受けた。 そこで流れていた全ての曲をダウンロードし、今日も朝からずっと...
587. 言葉の淀みと開放
昨日を振り返ってみると、自分の内側から言葉がほとんど出てこなかった、という不思議な体験をした。一日の終わりにその日の振り返りを行うことや、一日のどこかで必ず、自分の思念や感覚を言葉にしてみる、ということを習慣にしてから随分と時間が経った。...
578. ポール・ヴァン・ギアートの背中を追いかけて
今日は、「複雑性と人間発達」の第三回目のクラスに参加した。今のところ、このクラスの前には必ず、友人の誰かとカフェテリアで一時間ほど話をしている。今日は、ドイツ人の友人であるヤニックと対話をしていた。 学部時代からフローニンゲン大学で学んでいるヤニックは、この街で生活を始めて...