13. 動的スキルの必須条件:統合と相互関与について
先日の記事で、ダイナミックスキル理論の核となる概念「動的スキル」について簡単に説明しました。今回は、補足事項として、動的スキルが持つ二つの重要な条件「統合」と「相互関与」について説明したいと思います。 私たちが特定の文脈で発揮するスキルは、物質が原子や分子によって決まりきっ...
12. カート・フィッシャーのダイナミックスキル理論の核となる「動的スキル」とは?
心の動的な構造を対象とするダイナミックスキル理論では、「動的なスキル」という概念をまず理解する必要があります。スキルと言うと何か特定の技術のようなものをイメージしてしまうかもしれませんが、ダイナミックスキル理論で定義されている動的なスキルとは、心の構造そのものです。...
11. カート・フィッシャーのダイナミックスキル理論に関するこれまでの記事のまとめ
以前の記事で、心の発達が内包する可変性と不可変性を説明するために、心の構造を静的なものとみなすパラダイムに代わる理論的枠組みが必要であると述べました。今回は、これまでの記事をまとめ、ダイナミックスキル理論の具体的な説明に入る準備をしたいと思います。...
10. カート・フィッシャーが発達理論の領域に提唱した新たなメタファー「発達の網の目構造」とは?
しばしば、多くの発達理論において、人間の心が階段状に発達していくというモデルを見かけます。発達理論を取り入れているケン・ウィルバーのインテグラル理論においても、はしごを登るかのように発達が進んでいくという印象を与えがちな「ラインの発達(様々な発達領域の発達)」という概念が提...
9. リビングシステムに見られる動的な構造とは?
カート・フィッシャーのダイナミックスキル理論を理解するためには、ダイナミックスキル理論の基になっているシステム理論について理解を深める必要があります。今回は、リビングシステムに見られる動的な構造について紹介したいと思います。...
8. 心の構造の動的な性質:既存の発達理論パラダイムを超えて
心の構造というのはそもそも何を指すのでしょうか?皆さんであればこの質問にどのように答えますか?また生涯に渡る心の発達を考える際に、どうして心の構造の性質を明らかにすることが重要になるのでしょうか?いったんここで立ち止まり、それらの問いを自分自身に投げかけてみてください。...
5. カート・フィッシャーのダイナミックスキル理論が持つ発達に対する根幹思想
前回の記事で述べたように、これから少しずつカート・フィッシャーのダイナミックスキル理論を紹介していきたいと思います。まずフィッシャーの思想とダイナミックスキル理論の簡単な輪郭を浮き彫りにしたいと思います。 フィッシャーの発達思想の根幹を成すものは「人間の活動は組織的かつ変動...
4. カート・フィッシャーの発達理論「ダイナミックスキル理論」が誕生するまで
ハーバード大学教育大学院のカート・フィッシャーは、ロバート・キーガンと並んで、現存する発達心理学者の中でも最も著名であり、70歳を迎えた今もなお研究活動に情熱を注ぎ、学術論文も旺盛に執筆されています。 昨年の秋にハーバードを訪れた際にカート・フィッシャーと面会する機会があり...
1. 発達支援・学習支援の重要概念「橋渡し(bridging)」とは?
麹町アカデミアで担当させていただいている「発達測定編」のゼミナールで、発達支援の具体的な手法について議論していく予定なので、発達支援の際に重要になる概念「橋渡し(bridging)」について簡単に説明したいと思います。橋渡しという概念は、元々テキサス大学助教授のニラ・グラノ...