35. スキルが持つ4つの階層構造と4つのレベル:カート・フィッシャーのスキル理論のおさらい
カート・フィッシャーは、ピアジェやスキナーの下で研究者としての道を歩み始めました。そのため、フィッシャーが提唱した「スキル」という概念は、ピアジェの「スキーマ」やスキナーの「オペラント」といった概念に影響を受けています。...
33. 発達の可変性を提唱する非英語圏の発達論者たち
これまでの記事で紹介してきたように、英語圏において、カート・フィッシャーやロビー・ケースなどが「新ピアジェ派」の代表格であり、彼らは発達の可変性を強調しています。実際のところ、フィッシャーやケースのような英語圏の発達論者のみならず、非英語圏の発達論者の中にも、発達の可変性を...
【動画】アメリカのユニークな学校「Ross Institute」:ダイナミックシステム理論に基づいたスパイラル・カリキュラムとは?
ハーバード大学教育大学院教授のハワード・ガードナーやカート・フィッシャーを含め、様々な研究者や実務家がアドバイザーとして関与している興味深い学校を紹介致します。 その学校はRoss Instituteという名前で、米国ニューヨーク州のロングアイランドにあります。ルドルフ・シ...
30. スキル向上過程に起こる興味深い現象:かりそめの発達と強固なスキル獲得への道
カート・フィッシャーがこれまでにおこなった研究の中で、一つとても興味深い研究があります。それは、学習・発達支援者の介入が、学習者のミクロな発達(秒、分、時間レベルの発達)にどのような影響を及ぼすかという研究です。 以前紹介したように、私たちのスキルの発達は向上と後退を繰り返...
29. 学習者および指導者に求められる資質:実践を積み重ねる継続力
知識やスキルの向上プロセスは、直線的なものではなく、上昇・下降・停滞を含んでおり、非常に混沌としています。先日の記事で、文脈特定的な鍛錬をおこなうことが、さらに高度な知識とスキル獲得において不可欠であるということを指摘しました。...
28. 具体的な文脈を想定した鍛錬の継続:高度な知識とスキルの獲得へ向けて
これまでの記事から明らかなように、さらに高度な知識やスキルを獲得するプロセスは、容易なものではありません。往々にして学習者は、さらに高度な知識やスキルを獲得するプロセスにおいて、突然の技術の向上や伸び悩みを経験します。あるいは、知識とスキルの後退現象を経験するかもしれません...
25. ダイナミックスキル理論における「最適レベル」と「機能レベル」とは?
これまでの記事で何度か登場した「最適レベル」と「機能レベル」について、もう少し説明を加えたいと思います。心の構造を静的なものと捉えてしまうこれまでの発達理論のパラダイムには、ある一つの根本的な誤りが存在します。それは、私たちは一つの固定的な構造レベルを持っており、それを領域...
24. 外国語取得における母国語の成熟度合いの重要性:ヴィゴツキーの視点より
日々、日英バイリンガルの子供たちと接することを通じて、母国語の成熟度合いが外国語の習得にもたらす影響力を強く感じています。外国語習得において、確かにある年齢を過ぎたら、外国語習得が困難になると示唆する「クリティカルエイジ」と呼ばれる現象が存在するかもしれません。...
23. 学習・発達支援者に求められる発達に対する敏感な感性とは?
ダイナミックシステム理論の代表的な研究者であるヴァン・ガートは、学習支援者(発達支援者)と学習者との間で構築される学習プロセスという一つのシステムにおいて、三つの変数を提唱しました。 前回の記事で紹介したように、一つ目は学習者の発達速度であり、二つ目は学習者の現在の学習段階...
22. 学習・発達速度の牽引力:ヴァン・ガートのダイナミックシステム理論の観点より
カート・フィッシャーが提唱したダイナミックスキル理論の根幹を成す「ダイナミックシステム理論」は、人間の心という一つの有機的なシステムのみならず、現実世界に存在する諸々のシステムについて多くの洞察を提供してくれます。 ダイナミックシステム理論を人間の発達研究に応用した人物とし...