130. 人間としての器の成長と実務能力の成長
ハーバード大学教育大学院に在籍する発達心理学者ロバート・キーガンとカート・フィッシャーはともにピアジェから影響を受けた構成主義的発達論者ですが、両者が研究対象とする領域は若干異なります。ケン・ウィルバーが “Integral Psychology...
128. 心理学界のアインシュタイン「カート・レヴィン」について
発達科学の領域に応用数学の一分野ダイナミック・システム理論が積極的に活用されていることを背景に、継続的にダイナミック・システム理論に関する専門書や論文に目を通しています。 こうした文献調査を続けているうちに、心理学の領域にダイナミック・システム的な発想を取り入れた人物はカー...
127.「DiscoTests」の中身:2020年度大学入試改革を見据えて
これまでの記事で紹介してきたように、DiscoTestsは知識の絶対量を測定するものではなく知識の活用力を測定することに主眼が当てられています。さらに、生徒一人一人の学習・成長プロセスに応じた学習提案を実現することを目的にしています。...
126.深層能力涵養に有益なフィードバックと害悪なフィードバック
認知的発達心理学の枠組みに基づいた発達測定をした後に、どういったフィードバックを行うかということがその人の発達や学習を支援するためには重要であると言われています。確かにアセスメントを受けただけでは全く意味がないので、この指摘は正しいと言えば正しいのですが、現実はそれほど簡単...
124.米国で注目を集める新しい学力アセスメント:2020年度大学入試改革を見据えて
日本に一時帰国中の現在、成人以降の発達理論と発達測定(アセスメント)に関する講演会・勉強会・コンサルティングをさせて頂く場を様々な方から提供していただき、主に企業組織の文脈に身を置いて多様な共同作業をさせていただいています。こうした成人期以降の意識の発達に対する学術探求と実...
121.ダイナミックスキル理論における「スキル」に関する誤解
先日、インテグラル・エデュケーションさん主催の勉強会で、ハーバード大学教育大学院教授カート・フィッシャーの「ダイナミックスキル理論」について紹介させていただきました。 当日の勉強会で参加者の方々から寄せられた質問や、勉強会後、参加者の方々から頂いた疑問点などを伺っていると、...
119. 成人への教育・トレーニングに対する新ピアジェ派の理論の活用
これまでの記事で新ピアジェ派の根幹思想や様々な概念・理論を紹介してきました。仮に皆さんが成人へ教育・トレーニングを提供する立場にあるならば、どういった気づきや発見事項があったでしょうか?また、皆さんの実務の現場にそれらを活用させる方法に関して、どういったアイデアが得られたで...
118.新ピアジェ派の貢献:成人以降のより良い教育・トレーニングへ向けて
新ピアジェ派は、およそ30年間に渡り、ピアジェの根幹思想を受け継ぎながらも、修正が必要な概念や理論に関しては、実証研究に基づきながらピアジェの理論をより洗練化させてきました。 新ピアジェ派の各々の研究者は、それぞれ固有の思想やアプローチを持っているため、彼らはピアジェの貢献...
117.「発達の網の目構造」:認知構造における個人差について
これまで複数の記事にまたがって、新ピアジェ派が具体的にどういった点において、古典的なピアジェ理論を拡張させたのかを紹介しました。今回の記事は、新ピアジェ派の最後の貢献事項、「認知構造における個人差」について簡単に説明したいと思います。...
116.成人以降の教育・トレーニングを支援する三つの肝:「実践の場」「他者との協働」「他者からの支援」
前回の記事は、文脈や環境が私たちの認知に与える影響について紹介しました。さらに、他者からの支援が私たちの認知構造にもたらす影響についても紹介しました。今回の記事は、以前紹介したカート・フィッシャーの「最適レベル」と「機能レベル」の概念を用いながら、他者による支援が成人以降の...