305. 自己超出・自己超越
この10年間ほど、毎日昼寝を欠かしたことはないように思う。どうも昼食を食べ後の午後2時過ぎあたりに、眠気と共に集中力が減退する瞬間が訪れることに気づき、15分から20分ほどの仮眠を必ず取るようにしている。 いつもと同じようにヨガのシャバーサナの姿勢で仮眠を取っていると、ある...
293. 共存在空間
九月からのプログラムが本格的に開始されるまで、あと三週間ぐらいの時間がある。今、幅広く自分の関心に合わせて様々な専門書を読んでいるが、今日は論文のアドバイザーを務めてくださるサスキア・クネン先生の論文に目を通しておこうと思った。...
283. 環境適応とシステムの発達
米国在住の最後の拠点であったロサンゼルス時代から、昨年の東京滞在期間において、 “dynamic system”や "systems theory”という単語が挿入されている専門書の中で、優れたものは大半購入したように思う。 昨日から本日にかけて目を通していたのは、...
260. 不思議な夢とデカルト
今朝、不思議な夢を見た。『魔の山』の作者として有名なトーマス・マンの時間論の観点から人間の発達を捉え直す必要がある、ということをつぶやいている自分が夢の中に出てきた。そもそも、このドイツ人の小説家が時間論を展開していたかどうか定かではなく、どうやら複数の記憶と自分の現在の関...
249.「自己組織化」と「自己創出」
言葉の使用に関してもう少し厳密な態度を取る必要性を強く感じている。借り物の言葉ではなく、自分の内側を真に通過した言葉だけを使用するように心がけたい。自分の内部でろ過されていない言葉を用いることは自己欺瞞を招きやすいし、何より伝えたい人に自分の言葉が届かないという事態を引き起...
244. 能力の選定と剪定
昨日は、市役所や税務署で各種手続きを行い、実家へ送る荷物の梱包が完了した。オランダへ送る荷物の梱包はこれからであるが、過去数年間において幾度となく引越しを繰り返してきたので、梱包も手馴れたものである。 元ハーバード大学教育大学院教授のカート・フィッシャーが指摘しているように...
233. 焦点化・代用化・差異化という三つの変容原則
記事217と230で紹介した「知性・能力に関する5つの変容原則」について、残りの原則をより詳しく解説したい。まだ説明していない原則は(3)焦点化(focusing)、(4)代用化(置換化:substitution)、(5)差異化(differentiation)である。これ...
231. 熟成
——待つしかない、か——竹内敏晴 音楽、絵画、スポーツ、学問にせよ、長大な時間の鍛錬の末に到達した境地には、共通して美的なものが広がっている気がしてならない。四年に一度のスポーツの祭典、オリンピックの開催日が迫ってきている。今回のリオ五輪ではどのような美が顕現されるのだろう...
230. カート・フィッシャー5つの変容原則:「統合化」と「複合化」
極端に暑い日と比較的涼しい日が入り混じった不思議な時期である。夏という秩序だった季節が到来する前の最後の混沌状態にあるのかもしれない。 記事217で紹介した「知性や能力の発達に関する5つの変容原則」について、一つ一つの原則をより詳しく解説したい。再度確認すると、私たちの知性...
226. 普遍性の獲得プロセスとしての人間発達
チェコの作曲家アントニン・ドヴォルザークの『新世界より』がiTunesから流れ出す。これは、私が5年前に渡米する直前に知人から頂いたCDである。 この曲の第二楽章は、日本において『遠き山に日は落ちて』として広く知られている。私が長く時間を過ごした山口県の故郷では、夕方の時を...