458. 実践知について
全ての仕事がひと段落し、再び「実践知」と呼ばれるものについて考えていた。ここでふと、先日久しぶりにやり取りをしていたオットー・ラスキー博士の研究を思い出していた。 ラスキーに師事をしていた頃、彼の認知的発達段階モデルは非常に難解ながらも、最も関心を引く研究テーマであった。特...
388. 知識体系の土台作り
システム科学の諸々の理論体系と触れることによって、現在、知識の体系化について色々と考えさせられている。経験上、自分の知識基盤が脆弱だと感じられる時は、往々にして得られた知識を適切に体系化できていないことに問題があるように思う。...
385. 問いを引き受けるということ
今日はいつも以上に集中力を発揮して仕事に取り組むことができていたように思う。本来であれば、土日のどちらかには必ずランニングをしているのだが、今週はランニングをせず、来週からは月曜日に走ることにしようと思う。本日は走るという身体運動よりも書物を読むという思考運動に適した日だっ...
315. 欧州小旅行記:シュツットガルトへ向けて「豊かな知性を育む環境」
ライプチヒのホテルでゆっくりと朝食を取った後、午前八時前の列車に乗り込み、シュツットガルトへ向かった。ライプチヒからシュツットガルトまでは、乗り換えを含めて約五時間ぐらいの列車の旅となる。 今回の欧州小旅行で飛行機を使わず、列車にしたのは大正解であったと思う。自分の身体と精...
255. 美の化身
昨日、山口県の実家から東京に戻ってきた。渡欧を5日後に控え、税務署への確定申告や市役所への転出届の提出、国際心理学会議(ICP2016)へ向けたプレゼン資料の最終準備や荷物の梱包という一仕事が残っている。 これらの仕事を終えれば、いよいよオランダへ旅立つことになる。実家に滞...
224. フローニンゲン大学での修錬:二年目のプログラムに関する概略
早朝の日課として、目覚めた直後に身体をその日の探究・実践活動に最適なものにするために、20分間ほど簡単な身体運動(合気道を習っていた頃に教わった準備運動と自分が長らく実践をしているヨガを合わせたような運動)を行っている。...
204. 今を今刻むその果てにある新しい今
——人生の究極的な意味は、私たちの理解できる範囲を超えている。けれどもそれは、それを欠いては私たちが生きていくことができなくなるような何かである——ヴィクトール・フランクル 何かを表現するというのは、自分の内側にある何かを開くことである。自分にとって何かを表現する一つの手段...
159. 成人以降の知性発達理論をより深く理解するために:インテグラル理論と方法論的多元主義について
記事「158. 発達理論の歴史と最新の発達測定手法LASについて」の続き これまでの記事を通じて、何度か「インテグラル理論」について言及をしてきました。知性発達理論を語る上でインテグラル理論の枠組みを避けて通ることはできないのですが、未だ当該理論は日本における成人以降の知性...