372. 思想や哲学
気がつけば九月も終わろうとしている。早いもので、フローニンゲンで生活を始めてから二ヶ月が経とうとしていることにふと気づかされた。十月が近づいてくるにつれ、フローニンゲンの街も徐々に寒くなり始めている。 早朝の起床は、太陽が昇るよりも早くなってしまった。薄暗闇の中、今朝も太陽...
218. 成長・発達に不可欠な権威的存在
先日、クライアントとのセッションの中で、一つ興味深い論点が浮上した。「父性」あるいは「力強さ」と呼ばれるものの大切さについて話題となった。 拙書『なぜ部下とうまくいかないのか:「自他変革」の発達心理学』を読んで誤解を与えてしまっていたのであれば申し訳ないのであるが、段階5を...
201. オランダ語の習得について:言語空間のフラットランド化に抗って
先日、恩師であるオットー・ラスキーからメールをいただいた。私がオランダに留学しに行くということを告げて以来、メールの最後には必ずオランダ語で書かれたメッセージが残されている。「オランダ語も学びなさい」という親心だろうか。...
194. フローニンゲン大学での修錬:一年目のプログラム内容(その3)
記事193に引き続き、フローニンゲン大学での一年目のプログラムで履修する6つの科目の内、残り2つのクラス内容について簡単に紹介したい。 5-1. 成人発達とキャリアディベロップメント 成人以降の発達を専門とし、企業組織と協同させていただく機会が多いという都合上、キャリアの発...
157. ダイナミック・スキル理論をもとにした発達測定手法LASとは?
世の中には知性発達理論に基づいた多様な測定手法が溢れています。例えば、スザンヌ・クック=グロイターのMAP(Mature Assessment for Professionals Profile)、ロバート・キーガンのSOI(Subject Object...
153. 社会的・感情的発達と認知的発達の関係性
発達心理学者のオットー・ラスキーは、ロバート・キーガンの発達理論を「社会的・感情的発達理論」と命名し、マイケル・バサチーズの発達理論を「認知的発達理論」と命名しています。私がラスキーの下で学習していた時、彼は、両者の理論は異なる発達領域について扱っていると頻繁に述べていまし...
150. 「真実構築活動」と「意味構築活動」を架橋する能力
私が直接的に師事をしていた発達心理学者のオットー・ラスキーの言葉が最近妙に思い出されます。ここ2年間は、セオ・ドーソンやカート・フィッシャーの理論モデルや測定手法に習熟するための期間であり、ラスキーの理論や測定手法から少し距離を置いていました。...
148. ロバート・キーガンの業績とマイケル・バサチーズの業績の統合
私が師事をしていたオットー・ラスキーは、ハーバード大学教育大学院時代にロバート・キーガンとマイケル・バサチーズに師事をしていました。私がラスキーの下で学習を進めていて気付いたのは、ラスキーはキーガンとバサチーズの両方の理論体系を統合させるような試みに長らく従事していたという...
143. 相対主義的思考を超えて
人類史を眺めてみると、いつの時代にも合理主義的な知性段階から相対主義的な知性段階に発達する人間が出現しています。特に、現代ではホリスティック思考などの相対主義的な思考法が注目を集めており、その勢力はますます拡大していると言えるでしょう。...
142. 形式論理思考の盲信とホリスティック思考への飢え
もし弁証法思考と同時に人間の知性発達に関心があれば、下記のような質問を投げかけるかもしれません。「知性発達理論はどのような思考を扱っているのだろうか?トートロジー的な論理思考なのだろうか、それともより高度な弁証法的な思考についてなのだろうか?」...