782. 普遍なものと不変なもの
明日から始まる新たな週は、大学全体が追試週間と位置付けているものである。この週には、通常の講義が行われることはない。 そのおかげで、月曜日に行われるサスキア・クネン教授とのミーティングや水曜日に行われるラルフ・コックス教授とのミーティングに向けて十分な準備をすることができる...
598. 新・新ピアジェ派としての私
今日は早朝から、現在進行中のオンラインゼミナールの最終回の講義資料を作成していた。最終回は、知性発達科学の歴史的変遷を辿りながら、知性や能力の発達に関する近年の思想や理論などを取り上げる予定である。 厳密に知性発達科学の源流にまで遡るのであれば、仏教の意識の発達思想やヨガの...
578. ポール・ヴァン・ギアートの背中を追いかけて
今日は、「複雑性と人間発達」の第三回目のクラスに参加した。今のところ、このクラスの前には必ず、友人の誰かとカフェテリアで一時間ほど話をしている。今日は、ドイツ人の友人であるヤニックと対話をしていた。 学部時代からフローニンゲン大学で学んでいるヤニックは、この街で生活を始めて...
547. 体系の死物化と普遍化
偉大な知性や能力を携えていたとしても、それが一切評価されることなく、この世界で存在意義を認められなかった人物について思いを巡らせていた。私が師事をしていたオットー・ラスキー博士は、極めて洗練された理論体系を構築していたにもかかわらず、構造的発達心理学の世界で評価されることが...
465. パーソナリティの再考に向けて
少し前に言及したように、人間のパーソナリティに対して強い関心が私の中で湧き上がっている。書斎の本棚から、 “Personality psychology: A student-centered approach (1995)”、 “An introduction to...
458. 実践知について
全ての仕事がひと段落し、再び「実践知」と呼ばれるものについて考えていた。ここでふと、先日久しぶりにやり取りをしていたオットー・ラスキー博士の研究を思い出していた。 ラスキーに師事をしていた頃、彼の認知的発達段階モデルは非常に難解ながらも、最も関心を引く研究テーマであった。特...
418. 変化の裸体
自分の存在がこのリアリティに充満している目には見えない非存在のものにぶつかり、衝撃のあまりにしばらく立ちすくむという体験の意味が少しずつ分かり始めてきた。この体験を一言で述べると、それは未来に生じる自分の変化をその場で先取りして経験することに他ならなかったのだ。...
417. 虹と仕事
早朝起床すると、窓から見える景色は辺り一面闇に包まれていた。完全に太陽よりも先に活動を始めている自分がここにいる。季節は秋真っ只中である。今朝のフローニンゲンは、寒さに加えて、空一帯が分厚い雲に覆われていた。 そして、黒々とした雲から小雨が降り注いでいる。今朝もほぼいつも通...
【お知らせ】翻訳書『心の隠された領域の測定:成人以降の心の発達理論と測定手法』
「発達理論の学び舎」をいつもご覧になってくださり、どうもありがとうございます。 2015年に翻訳出版させていただいた、オットー・ラスキー著 “Measuring hidden dimensions: The art and science of fully engaging...
384. 専門家の能力と使い方について
昨日読んだ論文の中で印象に残っているのは、 "Wither cognitive talent? Understanding high ability and its development, relevance, and furtherance(2013)”...