1188.能力開発と能力測定の誤解
午前中の仕事に取り掛かる前に、最後にもう一つだけ書き留めておきたいことがあった。 それは、第二弾の書籍『成人発達理論による能力の成長』に記載した、「能力の高度化と実践力」の関係性についである。私は本書の中で、能力の高度化に伴って実践力が高まるということの意味について説明し、...
205. 領域全般型発達測定の実用性
日本の企業社会を眺めてみると、組織における人財育成に真に有用なアセスメントがまだまだ導入されていない、という印象を受ける。 この要因について企業人の観点から考えると、アセスメントというのは「評価のためのものである」という意識が強く、「育成につなげるためのものである」という意...
202. 各人固有の成長プロセスに応じたテーラーメイドな成長支援の実現に向けて
これまで複数の記事にまたがって、私が在籍していたマサチューセッツ州のレクティカが創造したユニークな発達測定システム「LAS」について紹介してきた。認知的発達心理学の歴史における約一世紀に渡る研究成果をもとに、いかなる能力領域の発達を測定するための手法としてLASは生み出され...
198. アメリカの国家諜報機関で重宝されていた発達測定手法の質
記事195に関連して、若干細かな論点であるが、LASという発達測定システムを心理統計の観点から評価すると、どのようなことが言えるのかを簡単に紹介したい。結論から言うと、セオ・ドーソンやザッカリー・スタインによる長年の実証研究が示しているように、LASは測定者間の信頼性やアセ...
196. 知性・能力発達に関するカート・フィッシャーの五つの段階モデル
過去のいくかの記事を通じて、私が在籍していたマサチューセッツ州の発達測定専門機関レクティカの測定手法について紹介してきた。Lecticaのいかなる測定手法も「LAS」と呼ばれる評価システムを基盤にしていることをこれまでの記事で見てきた。...
195. レクティカ時代の回想:発達測定手法の開発プロセスについて
マサチューセッツ州にある人間発達に関する研究機関レクティカ時代のことを少し振り返ってみた。現在、日本の企業組織向けに構造的発達心理学に基づいた人財評価システムを開発している最中であるため、レクティカが新たな発達測定手法を開発する際にどんな開発プロセスであったかを思い出してみ...
167. 多様な知性領域の差異化方法:ウィルバー&ガードナー&フィッシャーの比較
記事「165.「領域全般型」の測定手法の誕生:マイケル・コモンズの階層的複雑性理論」 の続き それでは、LASを用いてどのように多様な知性領域を差異化していくかという点を見ていきましょう。ケン・ウィルバーは、多様な知性領域というものが「比較的独立して存在する」という主張をし...
166.記事157から165までのまとめ:測定手法と理論モデルの差異
それでは、ここで一旦これまでの記事「157-165(164を除く)」をまとめたいと思います。これまでのところ、「発達の高度」という概念を明瞭にするために、構造的発達理論の歴史において鍵を握る幾つかの概念を見てきました。 ケン・ウィルバーが提唱しているように、多種多様な知性領...
163. ローレンス・コールバーグからカート・フィッシャーへと受け継がれる思想:多様な知性領域に存在する領域全般型の特性
「記事162. 発達の論理(developmental logic):ボールドウィン&ピアジェ&ワーナーの観点より」では、ボールドウィン、ピアジェ、ワーナーの功績に焦点を当てながら、発達の論理について紹介しました。それら三人の発達理論の大家から時を経て、ローレンス・コールバ...
161. あらゆる発達領域に通底する「普遍的な発達空間」の存在
「記事160.意識の特性と「サイコグラフ」について」では、人間の意識が持つ様々な特性と、多様な知性領域を描写する「サイコグラフ」について紹介しました。今回の記事は、意識の高度分析についてさらに踏み込んだ解説をしていきます。...